企業不祥事は起こるべくして起こっている 2/2 - リスクマネジメント・BCP - 専門家プロファイル

西野 泰広
REPsコンサルティング レップスコンサルティング 代表
埼玉県
経営コンサルタント

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企業不祥事は起こるべくして起こっている 2/2

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企業のリスクマネジメント マネジメント手法

【個別最適よりも全体最適】

 誤った「判断/決断」が企業の危機に至るケースが頻発していますが、なぜ起こるかそのロジックに
ついてお伝えいたします。ロジックが理解できれば、対応策も見えてきます。

 *このロジックは大企業や中小企業の経営責任者、団体代表、小規模事業主...なども同じ構図です。

前回は、不祥事に対する正確な「リスク把握」と「リスク評価」がなければ、リスクを低下させることが
出来ないことをお伝えいたしましたが、今回はリスク評価が社内で分かれた場合、誤った決断をしないた
めには何が必要か説明いたします。

 

まず適切な決断に必要となるのは
  (a)正確なリスク評価者  
      ・多くの不祥事に対処した経験を持つ有能なスタッフ
  (b)適切なリスク判断者 
      ・市場への対処について適切な判断が出来る管理者責任者
  (c)適切な市場対応の決断者(経営者または、経営者から決断の権限を委譲された者)
      ・迅速で勇気ある決断(ディシジョン)が出来る最高経営責任者

  この(a)(b)(c)それぞれに適切な人財がいて、初めて“適切な決断”が出来るのです。

   *市場対応の最終決断は最高経営責任者の役割であり、その決断には社会的責任が伴います。

 

適切な決断を行うには、少なくとも3人の有能な人財がいなければ出来ません。
   ● Suggestion(サジェスチョン):スタッフ → 提言者
   ● Judge(ジャッジ):スタッフの上長 → 判断者
   ● Decision(ディシジョン):最高経営責任者 → 決断者

 

【企業不祥事に至るロジック】
■最高経営責任者(経営者)に求められる一番の能力は、会社を持続させることです。
 収益の向上/維持/安定が最大のミッションとなり、その能力に優れた人物です。
 不祥事対処に関する能力について極端な表現をすれば、(c)以外はなくても問題はありません。

 なぜなら、事案の当事者である経営者は、
  [1] 多くのしがらみの中心にいるため正確な情報が伝わりにくい特性(風通しの悪さ)
  [2] 業績至上主義(業績を上げられない経営者は社内外から評価されない、重圧や圧力)
  [3] 経営者の自己保身(経営トップの座に留まりたい、改革を行うには権力が必要...等の思い)
 などの力学が働きます。

 

   [3]は、個人の資質に大きく左右されますが、[1][2]は意識して改革しない限りつきまとう外圧です。
   また、経営者はその時の業績にも決断が左右されます。

   ◆上記のように経営者には「正確なリスク評価」や「適切な判断」が困難な環境なのです。

 

では、他の社内部署で「正確なリスク評価」や「適切な判断」が出来るのか?

≪例えば≫ 商品に瑕疵が見つかり販売停止を考えなければならない問題が出たとします。
   この問題のリスク評価は社内部門(営業部門、総務部門、サービス部門...など)によって評価が
   異なります。

(A)営業部門は、販売停止は売上げに影響を与えるため、過小評価となります。
(B)総務部門は、経営への悪影響を考えるため、過小評価となります。
(C)サービス部門は、販売継続は多くの苦情が予測されるため、過大評価となります。

 上記評価は部門によって役割や責任が異なっているための結果で、必然です。

 ・営業部門は → 売上を伸ばす役割と責任
 ・総務部門は → 経営トップのサポートや会社の運営(利益)を円滑に行う役割と責任
 ・サービス部門は → 消費者対応で商品/サービスのサポートを行う役割と責任

 この役割と責任が違うため、個別(部門別)に見ればどれも最適な評価です。
   ⇒ 個別最適評価

 

 個別の最適評価を積み重ねても適切な評価になるとは限りません。
 では誰がリスク評価や判断をするのが適切か?

〔答えは〕 他の部門/部署との利害関係がなく「販売・経営・サービス・法務」の知識を有する人財を
      集めた第三者部門でリスクの全体最適評価と判断を行うことです。

         ⇒ 独立した中立的立場の第三者が評価し判断するのが最も適しています。
            ※これが冒頭で述べた(a)(b)です。

 

この部門がなければ、経営責任者は「リスク評価と不祥事事案の市場対処判断」を一人で葛藤し決断しな
ければならなくなります。

特に市場対処費用が高額になる場合などは大きな苦痛となり、耐えきれず誤った決断に至ってしまい
ます。そのような不幸な決断にならないためのサポート役でもあります。

 

【なぜ第三者委員会を設置する】
重大な社会的問題を起こした多くの場合で、第三者委員会が設置されますが利害関係のない社外の有識者
で構成し、適切で客観的な判断を行うことを目指したものです。

 *本来であれば、問題が発現した時点で適切/客観的判断が必要だったはずです。

厳しい言い方をすれば、第三者委員会の設置は社内には適切な部門/部署や人財がいないことの表れです。
社内に適任となる人財がいない場合は、外部サポートも検討する必要があります。

 

◆第三者委員会を設置した企業や団体の最高責任者は、強い意志と信念を持ち「事」に取り組まなければ、
 再び同様の問題が発生いたします。 また、社会からも注目されていることを忘れてはいけません。

不祥事への判断と決断を誤り、危機に至るのは、発生させた「事」と、その後に行った「事」(対処)に
対する社会的評価の結果です。厳しい評価を受けないためには、迅速で適切な決断は欠かせません。

 

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