企業には脅威! 消費者には安心!「消費者裁判手続特例法」(2/3) - リスクマネジメント・BCP - 専門家プロファイル

西野 泰広
REPsコンサルティング レップスコンサルティング 代表
埼玉県
経営コンサルタント

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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企業には脅威! 消費者には安心!「消費者裁判手続特例法」(2/3)

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企業のリスクマネジメント 集団的消費者被害回復制度

「少額で多数の消費者に被害を与える事案」がKey Word。

 この「消費者裁判手続特例法」及び 「集団的消費者被害回復の訴訟制度」に対するには、どのような事案
が対象になるのかを知る必要があります。 一般的には過去の事例や判例を参考にして対策を考えること
になりますが、残念ながらまだ施行されていないため正確には分からないのが現状です。
    ※現時点で正確に分かっているのは“施行後の事案が対象となる”くらいです。

とは言っても分からないから何もしないではすみません、この特例法および集団的消費者被害回復訴訟
制度は企業(事情者)にとって大きな脅威となるため制度の研究と対策が必要です。2016年12月までに
は施行されることが決まっています。3年以内の施行ですので早ければ今年末かもしれません。

これまでに公表されている内容から推測するなら下記[1][2]のような被害事案が対象と思われます。
         注)下記[例1~3]はあくまでも推測です。

 [例1] 消費者の被害額が少額でも多数の被害者がいる事案(少額で多数の被害者)
       例えば、被害額が数千円(1被害者)でも被害者が1万人いるような場合

 [例2] 被害者は数十名であるが被害額が数百万円である場合
       例えば、被害者は100名であるが被害額が100万円(1被害者)である場合

 [例3] 被害額が1千万円で被害者が5人の場合

 

この特例法は特定適格消費者団体が、多数の被害者を代表して訴訟を行うことを目的としていますので、
スケールメリットの効果が得られない上記[3]のような事案は対象から外れると思われます。また高額の
被害であれば早急な被害回復が求められます。コラムの“被害者への救いの手、12月4日「法案可決」”
と“企業の不法行為、被害者救済法案可決”で述べましたが、「集団的消費者被害回復の訴訟制度」は手
続きが二段階であるため解決までに時間を要します。そのため1人の被害金額が高額である[例3]のよう
な事案は個々の被害者が個別に訴訟を起こすことになると思われます。

最も多く特定適格消費者団体が取扱うのは、被害額が少額であるため“訴訟手続きの手間などから、訴訟
をあきらめて泣き寝入りしていた”被害者が多く存在すると思われる上記[例1]のような事案のはずです。

行政が考えている消費者政策のあるべき姿は“消費者に被害を与えた企業が自主的に消費者被害回復行動
を行う”このような社会を目指しています。 そのためには消費者の意識を変えなければなりません、そ
れには多くの被害者を救済し制度の啓発を図るやり方が合理的です。

 

では、上記の[例1]に該当する『少額で多数の消費者に被害を与える』Key Wordで推測すると、同一商品
や同一サービスを多くの消費者に提供しているビジネス(製造業、販売業)が思いつきます。

 ≪主なビジネス≫
     ・衣料品
     ・食品 (飲食店も含む)
     ・化粧品
     ・家電製品
     ・自動車 (二輪車、自転車も含む)
     ・通信サービス (通信機器、キャリア、ネット接続サービス)
     ・保険 (生命保険、損害保険)

    などのビジネス。

 上記のビジネスで“多数の消費者に被害を与える”事案となれば「表示問題」と「品質問題」が挙げられ、
  企業(事業者)はこの問題をいかに防ぐかが課題となります。

 

次回は、多数の被害をもたらす「表示問題」「品質問題」についてお伝えします。

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