企業には脅威! 消費者には安心!「消費者裁判手続特例法」(1/3) - リスクマネジメント・BCP - 専門家プロファイル

西野 泰広
REPsコンサルティング レップスコンサルティング 代表
埼玉県
経営コンサルタント

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閲覧数順 2016年12月02日更新

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企業には脅威! 消費者には安心!「消費者裁判手続特例法」(1/3)

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企業のリスクマネジメント 集団的消費者被害回復制度

今後の消費者行政が大きく変わる法令 “3年以内に施行” 。 

 消費者裁判手続特例法は『集団的消費者被害回復の訴訟制度』の実効性を担保するために制定された
特別法で、被害を受けた消費者にかわり 「特定適格消費者団体」 が当該事業者を提訴(訴訟)するこ
とが出来るようになります。

   ※ 「集団的消費者被害回復の訴訟制度」については下記のコラムをご覧ください。
      
・被害者への救いの手、12月4日「法案可決」 2013/12/09
      ・企業の不法行為、被害者救済“法案可決”  2013/12/14
      ・事業者は特定適格消費者団体による集団訴訟のプロセス理解が必須(1/3) 2013/12/25
      ・事業者は特定適格消費者団体による集団訴訟のプロセス理解が必須(2/3) 2013/12/31
      ・事業者は特定適格消費者団体による集団訴訟のプロセス理解が必須(3/3) 2014/01/04

この制度はアメリカの “クラスアクション” と似ています、クラスアクションは「弁護士」が中心となり訴訟
を行いますが、日本の集団的消費者被害回復の訴訟制度はその役割を「特定適格消費者団体」が行います。
このことは事業者にとって朗報とも言えます。
    ※ クラスアクションとは: ある事案(消費者に損害を与えた事案に対し)において、同じ被害を受けている多数の被害者を一部の被害者が
                                      全体を代表して訴訟を起こすことを認めた
制度です。

なぜなら、クラスアクションの“訴訟の主体”は被害を受けた消費者ではなく弁護士であるため、弁護士が自ら
のビジネスチャンスを探るために訴訟を起こしたいと考えているからです。
  (被害の救済は主目的ではないが、結果的には被害者を救済することに繋がる) 
解りやすく表現すれば、アメリカでは弁護士が訴訟できる事案と数名の被害者を探し、訴訟を起こし ”勝訴や
和解し報酬を得る” 訴訟がビジネス化しているのです、そのために制度の本質から外れていると思われるよう
な問題まで訴訟が起きています。アメリカが訴訟天国と呼ばれる要因でもあります。


日本の行政機関は訴訟がビジネス化することを避けるために、弁護士ではなく「特定適格消費者団体」にその
役割を行わせる判断をしました。
   ※ 適格消費者団体は特定非営利活動促進法で、特定非営利活動法人または、一般社団法人もしくは一般財団法人であることが規定されています。

現在の「適格消費者団体」には、消費者に著しい損害を与えている事業者に対し被害の拡大を防ぐために
その事業を差し止めることが出来る “事業の差し止め請求権” を与えています。
        ※ 2014年1月現在で内閣総理大臣から認定を受けた適格消費者団体は全国で11団体。

今度は、特定適格消費者団体に更に踏み込んだ“集団損害賠償請求”が行える力を与えることになります。
           ※ 特定適格消費者団体は、現在国から認定されている11の適格消費者団体から数団体が選ばれると言われています。

この 「消費者裁判手続特例法」 及び「集団的消費者被害回復の訴訟制度」 は、適切な消費者被害の回復
を行なわない企業(事業者)を市場から追放したい思いが秘められています。

厳しい言い方をすれば、『消費者に多大な損害を与える企業(事業者)には事業を行わせない』 この狙い
を持った法令であることを認識して下さい。

消費者にとっては安心して消費生活が送れる反面、企業(事業者)には大変な脅威となります。

 

ある専門家は、この法令に対し“企業は消費者の被害回復にかかるコストを商品やサービス価格に転嫁する”
と指摘し、“消費者にとって良い面ばかりとは言えない” と伝えていますが、現在の社会状況では価格転嫁は
まず出来ません。 

 ・被害回復コストを価格に転嫁すれば、商品価格が上がり、競争力が低下します。
 ・値上がり理由を“消費者の被害回復にかかるコストを価格に転嫁したためです”と消費者に言えますか。

この法令に対処するには、問題を起こさない(未然防止)ことか、問題が発生してしまった場合(発生後)
の適切な対処を真剣に考えるしかありません。

また、消費者は 『被害を与えれば、その被害を回復させるのは、企業として当たり前の行為』 だと思って
いるはずです。

 

この法令に対し企業は何をしなければならないのでしょうか。
次回は、企業(事業者)の「消費者裁判手続特例法」及び 「集団的消費者被害回復の訴訟制度」に対する
“必要な準備や考え” についてお伝えいたします。

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