事業者は特定適格消費者団体による集団訴訟のプロセス理解が必須(2/3) - リスクマネジメント・BCP - 専門家プロファイル

西野 泰広
REPsコンサルティング レップスコンサルティング 代表
埼玉県
経営コンサルタント

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西野 泰広
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閲覧数順 2016年12月10日更新

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事業者は特定適格消費者団体による集団訴訟のプロセス理解が必須(2/3)

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企業のリスクマネジメント 集団的消費者被害回復制度

制度のプロセス理解が“会社を救う” 。

  今回は『いかにして集団訴訟を回避するか』その回避策をお伝えいたします。
 

重要なのはこの制度を理解することです。理解すれば対応策が見えてきます。
では、もう一度制度の概要を把握してみましょう。

この制度の【対象となる行為】
 [1] 契約上の債務の履行の請求
 [2] 不当利得に係る請求
 [3] 契約上の債務の不履行/不完全履行による損害賠償の請求
 [4] 瑕疵担保責任に基づく損害賠償の請求
 [5] 不法行為に基づく民法の規定による損害賠償の請求

          (注)被告となるのは、消費者契約の相手方である事業者です

      ([5]は、債務の履行をする事業者、勧誘をする・させる・助長する事業者も被告となり得ます)

この制度の対象は、企業(事業者)の契約不履行・不法行為で発生した損害賠償請求や不当利得返還請求
などの財産的な被害回復に限定され、製品事故などで生じる生命、身体、家財の損害や慰謝料や逸失利益
は除外されると言われています。

【制度のプロセス】
(P1)“集団的消費者被害回復”の言葉から被害者が多数存在する事案が対象であると予測できます。
         ※具体的な人数は不明ですが、数名程度の事案は対象外と考えます。

(P2)訴訟段階が二段階に分かれています。この一段階目が最大のポイントです。
  ・一段階目は、
        消費者センターや国民生活センターに入る複数の被害者からの訴えを基に、特定適格消費者
        団体が当該事案を精査し“集団訴訟請求”の対象となるかを判断する。
        対象になると判断した場合は、当該企業を提訴する。

   ・二段階目は、
        訴訟に勝訴/和解が下されれば、公に公告/告知し当該事案の被害者を募る。

(P3)特定適格消費者団体の被害救済の呼びかけに、当該被害者は能動的に参加しなければならない。

 

 (注) 企業(事業者)が勝訴した場合でも、個別の消費者に対しては効力が及びません、そのため個別
    の消費者から別途訴訟を起こされる可能があります。

 

上記が特定適格消費者団体による集団訴訟の「対象となる行為」と「制度のプロセス」の概要です。
この概要から下記のような回避策を考えることが出来ます。

 

会社を救うための回避策は
       
『事案発生後の対応』と『事案の未然防止』があります。

【事案発生後の対応】 重要となるポイントは二つ

Point1: 被害者が多数存在している。

Point2: 特定適格消費者団体が、消費者センターや国民生活センターに入っている複数の被害者
           からの訴えを精査し、“集団訴訟請求”の対象となりえるか判断する。

 

 回避策

Point1への対応、被害者(不満者)を多数存在させない。

Point2への対応、消費者センターや国民生活センターへの苦情を最小限に止める。

ポイントは被害者(不満者)を個別分断させることです、このことが出来れば“集団訴訟の対象と
はならない”はずです。

では、どのような対応をすればよいのか例題を上げて説明いたします。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・< 例題 >・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Aさんは、全国チェーンのB衣料販売店で素材表示タグにカシミヤ100%(\5000-)と書かれている
セーターを購入した。 

Aさん:着心地や肌触りの悪さからB衣料販売店に苦情と被害回復(救済)のため商品交換を訴える。

後日、衣料メーカーの表示誤りで商品の一部にカシミヤ50%の商品が混入していることが判明した。
           ※のちに1万枚のカシミヤ50%セーターが混入していたことが分かった。

 (この事案は、景品表示法の優良誤認の疑いがあります)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この場合、B衣料販売店は迅速に事実確認を行い、カシミヤ50%であることが確認された時点で適正
な商品に交換する、または購入代金の返金をする対応を行なえば、Aさんは苦情を消費者センターや
国民生活センターに申し出ることはしないはずです。

個別分断させるには、同時にB衣料販売店のホームページや店頭、及び当該衣料メーカーのホーム
ページで“不適合品の混入と商品交換や代金返金“の告知を行なえば、
「被害者(不満者)は少数に止められ、特定適格消費者団体は“集団訴訟請求”を行う判断に至らない」
ことが容易に想像できます。

このように集団訴訟に至るプロセスを成立させない行動を起こせば、回避することが出来ます。
これが冒頭で述べた「制度のプロセスが理解できれば“会社を救う”」ことになるのです。

上記の例題を「積極的に告知しなかった場合」 “どのような状況に至るか” 想像してみて下さい。
  ( これはリスク予測の訓練になります)

◆自主的に被害回復行動を行えば、下記のリスクが回避できます。

 (a) レピュテーション(評判、評価、信頼、信用)の低下を最小限に止められる。
              関連する公的機関から大きく公表されれば、レピュテーションの著しい低下を招く。

      ※レピュテーションの著しい低下は業績に大きな影響を与えます。

 (b) 大きく公表されれば、対応コストも大きくなる。
             (被害の該当者以外の方からも多くの問い合わせを受ける)

 

次回は「事案の未然防止」についてお伝えいたします。

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