多くの会社では、社員の意欲や勤務態度を「情意」、社員の知識や技術を「能力」として評価しています。その具体的な内容は様々ですが、参考までに列記します。
情意には、努力(向上心)・協調性・積極性・粘り強さ(執着心)・主体性・法令遵守・ビジネスマナー・部下育成(指導)などがあります。
能力としては、知識・技術(技能)・経験・資格・リーダーシップ・コミュニケーション・交渉力・プレゼンテーション・説得力・問題解決力(論理的思考力)・課題設定力・創造力などがあります。最近では「能力」を「コンピテンシー」という概念で置き換えて評価する企業も増えてきましたが、コンピテンシーは「ある場面」で「明確な意図」のもとに「能力を発揮した」事実を基に評価します。
いずれにしても、これらを評価する際には、それぞれの項目が独立して排他的であることが重要です。何故かと言うと多くの場合、加点方式を採用しているため、ある項目で加点すると他の項目でも加点するといった連動(近接誤差とも言われます)が起きやすいのです。
多様な視点があることは育成につながる面もありますが、その分考課者の負担と誤解も生じやすいことを考えて、「社員の貢献が適切に評価される」言い換えると「当社では社員の貢献をこのように捉える」という会社からのメッセージとして評価を行っていただくことが人事考課のポイントなのだろうと思います。
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