起業相談に来たKさんは当初、自分がこれまで仕事をしていた小売業界での起業は嫌っていました。業界の表も裏もよく知っているだけに、もっと楽に稼げそうな他の業界での起業を希望していました。そこで、飲食業界や食品販売などでの起業を模索、これまで縁がなかった業界の現実を知るために1月ほど費やします。
そんな模索の後にたどり着いたのが、ショッピングセンター内のフードコートのコーヒーショップです。決め手となったのは、以前勤めていた大手小売りで培った人脈です。知人の知人は、立派な友達と言いますが、人伝でコーヒーショップ出店者を探していました。そこに、Kさんが手を上げ、開業にこぎ着けました。
ビジネスにおいては、このような運に巡りあえるかどうかで出店が決まります。初めて起業する人は、絶えずこのような運のありそうな場所の近くにいることが大事。運を呼び込むためには、このような場所にタイミングよくいることです。どんなに親しい仲でも、運よく傍にいないことには、出店することはできません。
もし、本気で起業を考えるなら、直ぐにでも起業準備を進めながら、開業予定の業種の人に近づいていないと、運にもタイミングにも出会えません。それでも、幸運な物件に出会えるタイミングは、3、4件に1件程度。その間に、流行りそうなビジネスを見る目も、物件を見る目も鍛えておくことです。
1度だけで、運に出会えるとは思わないほうがよいです。現在Kさんは、2店目の物件探しをしています。50代を過ぎての起業ですから、厳しい環境であることは確かでした。ただ、一度開業で成功しますと、今度は若い人よりも経験がしっかりしていますから、多くの人に認められ筋のよい話も多く来るようです。Kさんが利用した起業相談。
【一言】
ビジネスは面白いもので、店舗情報など集まるところには次々と集まってきます。上手くいっていない経営者のところには、情報を探していてもなかなか来てくれません。特に、店舗情報は、初めて起業する人にとっては、最も疎いジャンルの情報です。こればかりは、自分から積極的に声をかけて探していくしかないです。
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