【住宅の安全性能を考える】-2 - 新築住宅・注文住宅 - 専門家プロファイル

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【住宅の安全性能を考える】-2

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【住宅の安全性能を考える】の続編です。

 

2.  耐震改修のしかた

 「耐震改修」をするには、まず、その建物の現在の耐震性能を確かめる必要があります。これが「耐震診断」です。この診断が適切でなければ、その後の工事は意味がありません。「耐震診断」には経験と専門性を要しますので、「耐震診断士」に頼むことが大切です。「耐震診断士」は建築士の資格を持ち、さらに講習や試験を受けた人が認定され、地方自治体が管理・登録しています。まずは、自治体に問い合わせてみましょう。その折りは補助金についても確認するといいでしょう。

 「耐震診断」の結果、もし耐震性能が現在の基準を満たしていない場合は「耐震改修」が必要になります。まず「耐震診断」をもとに、耐震性能を高める案を建築士に考えてもらいます。基本的には壁が不足している部分に、壁や筋交いなど、地震による横揺れに対抗できる構造物(「耐震要素」)を入れていきます。この「耐震要素」をバランスよく配置して、建物全体としての耐震性能を上げていくわけですが、快適な住環境が犠牲にならないようにうまく設計する必要があります。壁をむやみに入れると閉鎖的な住宅となります。また施工しやすくコストがかからない工夫も大切です。専門家には知識だけでなく、センスや創造性が求められ、人によって改修案は違ってきます。「耐震診断」をした「耐震診断士」に設計もゆだねてもいいですし、他の建築士に依頼することも可能です。

 次はいよいよ工事です。設計内容を理解して確実に工事をする必要があります。新たにつくる耐震要素と既存建物がしっかり一体になるように施工しないと、耐震性能は高まりません。また、老朽化の進み具合など、実際に工事を始めてから気付くこともあります。安心できる「耐震改修」工事を実現するためには、耐震改修の設計をした建築士に引き続き、工事監理もお願いすることが望ましいです。

 さて、気になる工事費ですが、概ね100万円から150万円におさまり、200万円を超えるケースは少ないようです(2004 静岡県調査)。また補助金については、自治体によって補助金が「耐震診断」に出る場合、「耐震改修」が出る場合、その両方が出る場合など様々です。また、構造以外の建物すべてが現行の建築基準法を満たしていないと補助金が出ない場合もあります。法に合致しない建物に補助金を出すわけにはいかないという考え方のようですが、これでは、なかなか耐震改修がすすまないのではないかと心配です。

 2004年段階で全国の木造住宅の4割は「新耐震基準」を満たしていません(国土交通省試算)。その後も状況は変わらず、危険な住宅は未だに数多く存在しています。改修がしやすいように行政は、さらに補助金を活用しやすくするなどの工夫をしてほしいものです。

 最後に「耐震診断」や「耐震改修」をめぐっては多くのトラブルが報告されていますので、ご注意ください。特に訪問販売等で「無料の耐震診断をします」といった会社には注意が必要です。診断の結果、口約束のような形で補強工事を依頼し、後で高額な工事費用を請求されるトラブルも少なくありません。トラブルを防ぐには、事前に改修内容をまとめた設計図と工事費の見積書をつくってもらい、内容と金額を確認することが鉄則です。構造という建物を支える一番大事な部分をいじるわけですから、必ず信頼できる会社に依頼するようにして下さい。

 (つづく)

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