- 奥山 裕生
- 奥山裕生設計事務所 主宰
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
「マンションスケルトンリフォーム工事費(坪単価)の相場価格」
今朝、郵便受けに入っていたリフォーム会社さんのチラシ。
やはり、チラシなので安さを売りにしているようで、
チラシ一面に、リフォーム工事費の金額が赤い字で大きく並んでいます。
ユニットバス 定価の50%オフ!
システムキッチン 定価の50%オフ!
その中でも、特に目に留まったのが、
「マンションリフォーム・スケルトンコース
60m2 680万円(税別)」という価格!
安い!と一瞬思いましたが、
よく見ると、オプション項目がずらり。(笑)
給湯器、造作家具、エアコン、照明器具、分電盤・・・など。
それはそうですよね。
それらをざっと、電卓で概算をはじくと、
150~200万ぐらいは行きそうです。
となると、合計830~880万円(税別)、
坪単価に直すと、45万~48万円(税別)。
うちの設計事務所の設計事例の坪単価(約47万円)と
ほぼ同じ価格帯になります。
しかも、仕上げなどの仕様は随分と違います。
【チラシに書いてある標準仕様】(新建材)
床:複合フローリング、CFシート
壁・天井:ビニルクロス
建具:既製品(おそらくシート貼り)
【奥山裕生設計事務所の標準仕様】(自然素材)
床:無垢フローリング+自然塗装
壁・天井:珪藻土またはエコクロス
建具:木製建具+自然塗装
このように考えると、実質的に、リフォーム会社さんの方が、
工事費が高いのですが、これはおそらく、チラシなどの宣伝広告費、
営業マンの人件費、ショールームなどの維持費などが、
工事費の中の経費として計上されてくるからだと思います。
もちろん、設計事務所の場合は、
工事費以外に、設計監理料(工事費の12%前後が相場)
が発生しますが、上記のように比較してみると、
設計事務所に依頼することは、けっして高くないことが
おわかり頂けるのではないでしょうか?
さらに、設計事務所に依頼して頂くメリットは、
価格面というよりも、むしろ、
設計の提案力、ヒアリング能力、
設計と施工会社を契約分離することによる
見積価格、施工品質の第3者チェックなどがあります。
逆にデメリットとしては、
じっくりとお打ち合わせをするので、
設計期間に時間を要すること、
また、既製品ではなくオリジナルをつくるので、
工事期間も時間を要することが挙げられます。
それらのメリット・デメリットをご理解頂いた上で、
マンションスケルトンリフォームも、
設計事務所にご相談頂ければ嬉しく思います。
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