消費者教育ってなに?-#1 暮らしの中のクリティカル・シンキング(批判的思考) - 消費生活アドバイス - 専門家プロファイル

消費者考動研究所 代表
東京都
消費生活アドバイザー
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消費者教育ってなに?-#1 暮らしの中のクリティカル・シンキング(批判的思考)

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消費者教育について
こんにちは。消費者考動研究所 代表 消費者教育コンサルタント/消費生活アドバイザーの池見です。

皆さんは「消費者教育」という言葉をご存知でしょうか。
以前、「学校で買い物の方法とかを教える事?」と尋ねられたことがありましたが、それも間違いではありません。

でも実は、もっともっと幅広く、幼児から高齢者まで全ての人に必要な「幸せに生きるための考え方」学習
それが消費者教育です。
とは言え、消費者教育はとても広範囲なため、少しずつ分けてお伝えしたいと思います。
第1回目は、消費者教育の基本の一つ、クリティカル・シンキング(批判的思考)です。
 

暮らしの中のクリティカル・シンキングとは?

例えば、こんな流れの考え方です。。。

○インターネット通販で、以前より欲しかった自転車を格安で売っているのを見つけた。
  →すぐ買おうと思ったけれど、「でも、アフターフォローは大丈夫?」と気になった。
  →販売店の住所を調べた。
  →遠く離れた他県だった。「どうやって修理するの??」と考えた
  →サイトの規約を読んでみる。
  →保証期間はわずか3ヶ月で、以後の修理は送料も含めた有償だった。
  →安い理由はこれかと思い、多少価格は高くても納得がゆくアフターフォローの販売店を探すことにした。

○スーパーでそば(麺)を買おうと、商品を選んでいた。
  →袋に表示されている原材料名を注意深くチェックする。
  →そばなのに、「小麦粉、そば、とろろ、食塩・・・」の順番で書いてあるのに気付く。
  →「なぜ小麦粉を先に表示しているのだろう・・・」と疑問を感じ、他の商品と比べる。
  →「そば、小麦粉・・・」の順番のものもある事に気づき、その意味を調べる。
  →加工食品は、国の加工食品品質表示基準で、含まれる割合の多い順に表示する事が決められているのを知る。
  →以後、店で商品を選ぶときには、必ず原材料やその他の表示をよく確認するようになった。
  →表示があいまいなメーカーや商品を選ばなくなった。

○ソーシャルゲームで、最強のアイテムが欲しい。
  →入手するにはかなりの時間とお金が必要。。。
  →でも、おこづかいは限られているし、時間だって沢山やることがある。
  →それだけのお金と時間を、本当に今ゲームに費やさなければならないのか、単に欲しいだけなのか…。
  →そのアイテムが無ければ生きられない訳ではないし、それよりも優先して買うものがある事に気付く。

このように、物事を「なぜ?どうして?どうしたらもっとよくなる?」という視点で(=クリティカル・シンキング)考える習慣を身につけることで、冷静に客観的な見方ができます。
更に、様々な事への興味が湧き、知識を得て、より心豊かに暮らしたり、知ることでトラブルを避けることにもつながります。そして視野が広がることで、自分、周囲の人や社会のこと、地球の事にも前向きに関心を持ち、考動することで幸せに生きることができるのです。

クリティカル・シンキングで「自立した消費者」になる!

消費者庁の「消費者教育ポータルサイト」には、次のような説明が記載されています。

近年、経済の仕組みの変化や規制緩和の流れの中で、消費者トラブルは多発し、その内容も複雑化、高度化しており、消費者教育の重要性は高まってきています。
その中で、自らの利益の擁護及び増進のために自主的かつ合理的に行動し、消費者の権利を実現するように努め、自ら進んで、消費生活に関して必要な知識を修得し、必要な情報を収集するなど、自主的かつ合理的に行動するように努める消費者-すなわち「自立した消費者」の育成を目指すことが、消費者教育の理念です。

クリティカル・シンキングは、正にこの「自立した消費者」になるための基本スキルです。
ぜひ皆さんも、今日から始めてみませんか?
キーワードは、「なぜ?どうして?どうしたらもっとよくなる?」ですね!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 消費生活アドバイザー)
消費者考動研究所 代表

消費生活の専門家が消費者教育・啓発や消費者志向経営をサポート

消費生活アドバイザーは、消費者・企業・行政の懸け橋として、法律、生活知識、消費者志向経営や環境問題まで幅広い専門知識を持つ消費生活の専門家です。企業・自治体等で培った豊富な実務経験とノウハウで、貴方の消費者力UPと企業活動をサポートします。

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