消費者教育ってなに?-#3 消費者の責任で視野が広がる - ロジカルシンキング - 専門家プロファイル

消費者考動研究所 代表 /消費生活アドバイザー
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消費者教育ってなに?-#3 消費者の責任で視野が広がる

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消費者市民社会=買い物で世の中を変えよう!

こんにちは。消費者考動研究所 代表 消費者教育コンサルタント/消費生活アドバイザーの池見です。

さて、前回のコラムでは、消費者の権利と、その権利を意識して行動する事が大事と言うことについてお伝えしました。

[消費者の権利 ]
・安全が確保されること
・適切な選択を行えること
・必要な情報が提供される こと
・教育の機会が与えら れること
・意見が反映されること
・被害が救済されること

ところで、権利は相手があってこそ主張でき、自分一人だけの世界では成り立ちません。
そこで、権利の実現に向けて、消費者自身も考えるべきことや行動すべきことが生まれてきます。
それが今回のテーマ、「消費者の責任」です。

 

あなたの「選ぶ」には、とても大きな力と責任があります!

例えば、音楽配信サイトで、大好きなアーティストの新曲を見つけたとします。
そのサイトは、アーティストや音楽制作会社の公式サイトではありませんが、ダウンロード無料と書いてあります。
あなたならダウンロードしますか?

ここで、クリティカル・シンキング!
「これ、ダウンロードして大丈夫?」
「普通は有料のはずなのに、なぜ無料なんだろう?」
「みんなが無料でダウンロードしたら、どんなことが起きるだろうか…」

アーティストや音楽制作会社の人たちは、その曲の著作権を基に、曲を売った収益で生計を立てています。
著作権者が認めていないサイトから無料ダウンロードすると、その人たちの権利を侵し、収入機会を奪い、創作活動資金を枯渇させて路頭に迷わせてしまうかもしれません。

更に、勝手に配信しているサイトは確信犯でもっと問題です。自分の利益のために他人の生きる糧を奪っているのですから。

当然ながら、こうした配信サイトも、違法と気づきながらダウンロードした消費者も、著作権法違反で刑事罰の対象になります。著作権者の承諾を得ないで音楽や画像などをアップロードして公開した個人も同じです。

 

ただ、法律に違反する・しないより、消費者の考え方や行動の方がもっと重要です。
この手の違法サイトの多くは、アクセス数に比例して広告収入を得ています。消費者が利用すればするほど儲かります。
言い換えれば、ダウンロードクリックした消費者は、悪意は無くとも違法サイト運営者を応援することになります。

一方、消費者がその事に気づいて利用しなければ、サイトは存続できずに淘汰されます。
違法なサイトを繁栄させるのも淘汰するのも、アーティストの創作活動が元気になって音楽で満ち溢れる世の中にするのも、音楽業界全体を衰退させるのも、私たち消費者一人ひとりのクリック一つにかかっているのです。
同じことは、高級ブランドの模倣品を「安いし、自分で使う分には問題ないから買う」行為・考え方にも言えますね。

この様に、社会全体のことを考えて正しく選択し、正当な対価を支払うことは消費者の責任の一つです。

 

消費者の責務・責任って何があるの?

それでは、消費者の責任とは具体的にどんなものがあるのでしょうか。
消費者基本法には、消費者の責務として次のような条文が記載されています。

第七条 消費者は、自ら進んで、その消費生活に関して、必要な知識を修得し、及び必要な情報を収集する等自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならない。
2 消費者は、消費生活に関し、環境の保全及び知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない。

また、消費者団体の国際的組織である国際消費者機構(CI)でも、別に定めた消費者の権利とともに、次の5つの消費者の責任を提唱しています。

・批判的意識を持つ責任
・主張し行動する責任
・社会的弱者への配慮責任
・環境への配慮責任
・連帯する責任

*参考 CIが定める消費者の8つの権利
・生活のニーズが保証される権利
・安全への権利
・情報を与えられる権利
・選択をする権利
・意見を聴かれる権利
・補償を受ける権利
・消費者教育を受ける権利
・健全な環境の中で働き生活する権利

 

日常の生活の中で意識しよう!

消費者基本法やCIで定義づけされている消費者の責務・責任。少しわかりにくいので、ピックアップして例を挙げてみました。

①買い物や契約をする時には、表示されている内容や契約書の条項よく読んで、正しく判断しましょう。よくわからない点があったら、「まあいいや」ではなく、きちんと確認・主張しましょう。

②地球温暖化の影響で北極海の氷が解け、海抜の低い島国が水没しそうになり、ホッキョクグマが生存の危機にさらされています。でも、消費者が環境に配慮した商品や企業を選んだり、家庭ごみを減らしてごみ処理時のCO2を削減したりすれば、沢山の国と人々を助け、ホッキョクグマたちも救うことができます。

③児童労働に従事している5~17歳の子どもの数は、世界で2億1,500万人。(2012年1月現在。日本ユニセフ協会ホームページより) 過酷な労働を余儀なくさせられている世界中の子供たちの事を思い、正当な対価の報酬が子供たちやその家族に届くようにフェアトレード商品を選べば、買い物を通じて支援することができます。

④被災地の商品を、うわさを鵜呑みにしないできちんと調べて買えば、自分のお金を復興に役立ててもらう事ができます。しかも、みんなで連帯すれば、より大きな力になります。

⑤地産地消を意識した買い物をするだけで、地元産のおいしい食材と出会えるし、地元でお金が回るから地域の生産者や流通業者を元気にします。しかも運ぶ際に排出されるCO2も減らせるので、子どもたちに住みやすい地域・環境を残せます。

 

私たち消費者は、「選択する」ことで、さまざまな人々を支援し、社会をも変えられます。
それは消費者の大事な権利であり、責任でもあります。
でも、決して何か特別な事をする必要はありません。
日常生活の中で、消費者の権利と責任をほんの少し心の片隅に置きながら、物事の前後のことを一歩踏み込んで考える・行動するだけです。

いつものお買い物の時、子どもにおこづかいの使い方を話す時、家族で省エネを考える時、・・・・・そして世の中の出来事を考える時、ぜひ思い出してください。きっと消費生活や生き方に対する視野が開けてきて、あなたの普段の暮らし方に楽しい変化が生まれます!

 

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 消費者教育コンサルタント)
消費者考動研究所 代表 /消費生活アドバイザー

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暮らし全般の幅広い専門知識(衣食住から法律・マネー、CSRまで)を持つ消費生活の専門家=消費生活アドバイザー。長年の顧客対応や消費者行政での職務経験とノウハウで、教育現場から行政、企業、団体の消費者教育とあなたの消費者力UPをサポートいたします。

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