広がる全国の空き家を起業チャンスにできないものか - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月26日更新

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広がる全国の空き家を起業チャンスにできないものか

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 わが国の住宅建設は09年以降低いままで、12年度は約89万戸にまで減っています。日本の景気が、いつまでも立ち直れない原因の一つとも言われています。一方で、1954年から73年まで続いた高度経済成長期に建てられた住宅が、築40~60年を経過して老朽化が進み、建替えや解体時期に入っています。

 当時は、年間の住宅建設戸数が190万戸にも達した時代で、それらの家を解体する必要に迫られます。わたしが住む都市でも、住宅地を歩いていると、10軒に1、2軒は人の住まない住宅です。昨年、中央高速と平行して走る甲州街道の街並みは、ほとんど人気のない商店や住宅が延々と続いているのがショックでした。

 今、日本社会は、住宅を建設すると同時に、住宅の解体をしなければなりません。自治体によっては、空き家所有者に撤去命令をだす「空き家対策条例」を制定している都市があります。特に、人口の減少が続く過疎地では、空き家が大きな問題になっています。08年に全国の空き家数は757万戸にも達しています。

 問題は、今後もますます空き家が増えることです。ただ、起業を考える側からしますと、空き家はこれからのビジネスの種です。解体需要は、今後相当数に上りそうです。ただ、全国的には業者数がそれほどいません。今は、許可を持っている解体業者が少なく、解体を巡ってはトラブルも少なくないようです。

 また解体に伴って、新しいビジネスが誕生しつつあります。家屋の整理をする業者、廃材や家財のリサイクル業者なども今は生まれています。一軒の住宅建設には、たいへんなエネルギーとお金がかかります。解体する際にも、同様にエネルギーもお金も必要です。ここにはビジネスチャンスもありそうです。

 東京の西の外れの奥多摩町では現在、空き家が300軒ほどあり、町役場は人口増につなげるために空き家バンク事業や、若者向け住宅の提供などを実施中です。また民間企業が、町内の空き家を会員制の貸し別荘として貸し出しもしています。既に20代から30代に人に人気で、別荘をシェアで利用する人が増えています。

 人の住まなくなった空き家は負の遺産です。しかし、処理するにしろ、再活用するにしろ、仕組みと方法によっては新たなビジネスを生みます。空き家問題に対しては、まだ正面から取り組んでいる自治体や会社は少ないのが現状です。壊すのは簡単ですが、やり方によっては起業チャンスにもなりそうな気がします。

【一言】 
 わが国には住宅というと、新築することで経済の活況につながると考える人と、中古住宅を改修して費用をかけず長く住もうとする人がいるようです。これまでは、新築派が圧倒的でした。ところが、建築資材を環境の面からみたり、自然災害での被害などからみて、中古の改修派が徐々に増えています。国民所得などから考えますと、改修派はますます増えそうです。住宅建設の世界も、大転換を迫られることになるかも知れません。 
 

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