米国経済4月号 - ライフプラン・生涯設計 - 専門家プロファイル

山本 俊樹
インテグリティ株式会社 
ファイナンシャルプランナー

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対象:家計・ライフプラン

伊藤 誠
伊藤 誠
(ファイナンシャルプランナー)
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(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2016年12月06日更新

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米国経済4月号

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  1. マネー
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やさしい経済の話し 米国経済の話し

信じられない事態を覚悟!?


3月18日付け日経新聞は、米国大手証券会社ベアースターンズの信用危機を大きく伝える記事の片隅に次のような記事を掲載した。

『グリーンスパン前FRB議長は、3月17日の英フィナンシャル・タイムズ紙への寄稿で「現在の米国の金融危機は第二次世界大戦後、最悪との評価を将来受けるだろう」と指摘し、現在の信用不安は短期的なものではなく深刻と警鐘を鳴らした。米国の住宅市場が安定を取り戻すまで危機は続くとの見通しを示した上で、「信じられないと驚く事態を覚悟すべきだ」と金融機関の経営危機が続出すると予想。今回の危機を踏まえ、金融機関監督・規制システムの抜本的な見直しが必要になるとの見通しを示した。』

ベアー・スターンズ証券破綻によるマーケット急落で一旦底を打ったか?


まさにFRBが緊急の公定歩合引き下げを柱とする緊急対策を発表、また、JPモルガンによる米証券大手ベアー・スターンズの救済買収が発表されたにもかかわらず、世界金融市場が大混乱をきたした3月17日に掲載された記事である。誰もが、更なる混乱を予想させるような記事であった。
皮肉にも、この日を境にマーケットは落ち着きを取り戻し、一旦は底打ちをしたとも見られているのである。

グリーンスパンが、「信じられない驚く事態」と予想したのは、17日のマーケットのことなのか、あるいは、それ以上のことが今後もまだ引き続き起こるリスクがあるということなのかは推し量ることはできない。しかし、米国が、今回のサブプライム問題をこれほどまでに深刻に考え、その影響が長期化することを危惧しているという証であろう。

ベアー・スターンズ証券は昔から住宅ローンの証券化などの業務に非常に強く、米国でも大手の老舗
証券会社であった。そのベアーが、3月10日に資金繰り難のうわさで株価が急落、その後すぐに、大手銀行が融資をいっせいに引き上げ、11日には約170億ドル(約1兆7000億円)あった手許現金が13日にはほぼ底をついてしまった。13日には会社売却に向けた交渉が始まり、NY連銀が支援に乗り出し、16日にはJPモルガン・チェース銀行による買収が決定した。まさに、恐慌の恐ろしさを見た思いだ。
一方、現議長であるバーナンキ議長は、4月2日の上下両院合同経済委員会において、金融市場は、
幾分安定したものの、いまだに相当の緊張下にあり、住宅市場の低迷を通じて実体経済が圧迫されているとの見方を示した。そして、2008年の前半は実質GDPが僅かに縮小することもありえると、景気後退とも受け取れる発言をしている。

金融市場の次はいよいよ実体経済の悪化が表面化


グリーンスパンが金融の大混乱を予想し、それが落ち着くと今度は、バーナンキ議長は実体経済への影響懸念を表明した格好だ。サブプライム問題に端を発した、米国金融市場の混乱は、とりあえず金融機関が評価損を計上したことによって、最悪の実態を見ることができ、逆にマーケットは底を打ったと見ることもできる。しかし、その実体経済への影響はまさにこれから現れてくることであろう。
まず端的にそれが現れたのが雇用統計である。3月の雇用統計では、非農業部門雇用者が前月比▲8.0万人と3ヶ月連続で減少した。予想の▲5万人をも下回り2003年3月の▲21.2万人以来の低い数字となった。

その他、企業の景況感指数が製造業、非製造業ともに50を下回り、先行きについての不安もうかがわせている。今後1-2ヶ月の経済指標で米国経済の傷の深さがわかってくるであろう。