- 下村 豊
- 株式会社CSプランナー 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
11月に解散されて以来の円安で、企業の業績が好転している。
12月に発足した安倍自民党内閣の政策への期待の表れとも言われている。
なんと、各紙世論調査では、直近の支持率も60%を超え、発足時より高くなっている。
ぜひ、続いて欲しいものだ。
しかし、これほどまでに外的要因に左右される企業が、今後、永続できるものなのだろうか。
マスコミでは、失われた20年という見出しがよく使われている。
その大半の期間が、自民党政権だったはずだ。
期待して政権交替をさせた民主党が、あまりに情けない惨状だったので、それを国民は忘れて、自民党、安倍政権の政策に期待しているのだ。
読者の方に、予めお断りをするが、ここで、決して政治の批判をしたいのではない。
政策に左右されない強い企業作りが重要なのだ。
今、期待されている安倍政権の金融相兼財務相は、民主党に明け渡す前の総理大臣、麻生太郎氏である。
この家電メーカーの不況の発端となった家電エコポイント制度を始めた時の宰相だ。
今、振り返って、あの家電エコポイントを「良い政策だった。」という人は、ほとんどいないのではないか。
アナログからデジタルへの転換と重なって、エコポイントによって、薄型テレビが、飛ぶように売れた。
エコポイントが始まる前、テレビ(薄型に限らず)の国内の販売台数は500万台程度と記憶している。
それが、エコポイントによって、最高時には2000万台が売れたらしい。
誰の目にも、需要の先食いというのは分かっていたはずだ。
エコポイントは、2009年途中から、民主党時代の2011年まで続いた。
給与が上っていない中で、緊急性のない人にまで、薄型テレビを買ってもらうには安くなければ売れない。
企業は、大量生産によって安くすることを考え、自前の大規模工場まで造った。
シャープの堺工場には、テレビの部品メーカーも集積した。
結果、今の惨状である。
薄型テレビメーカーだけでなく、それに関連する全ての業種で、業績が悪化した。
エコポイント政策が採られていなかったら、どうだっただろう。
仮定の話は、あまり意味がないが。
エコポイントが始まる前は、日本の液晶を始めとした薄型テレビは世界で50%以上のシェアを誇っていた。
一インチ1万円を切ったら、爆発的(エコポイントほどではないが)に売れると言われていた。
デジタル放送への転換時期も分かっていた。
ならば、エコポイントの有無に関わらず、薄型テレビは売れたのではないだろうか。
また、技術開発者は、コストを下げるだけでなく、もっとテレビに付加価値を付ける(差別化する)ことに目を向けることができたのではないか。
今更、そんなことを振り返っても遅いと考えるか、二度と同じ失敗をしないために徹底的に考えるか、どちらなのだろう。
そして、今度は、世界規模でスマホ、タブレットで同様のことが起こっている。
日本企業は関係ないとは言えない。
なぜなら、その内部に使われている部品に、日本の多くの企業が関わっているのだから。
営業戦略、施策立案についてのご用命は、お気軽にお申し付け下さい。
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