実録!企業再生の現場レポート vol.4~銀行とのコミュニケーションの取り方 - 事業・企業再生全般 - 専門家プロファイル

榎並 慶浩
リーンアカウンティングジャパン 代表
東京都
税理士

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実録!企業再生の現場レポート vol.4~銀行とのコミュニケーションの取り方

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実録!企業再生の現場レポート

「銀行とのコミュニケーションの取り方」

メインバンクのA銀行につなぎ融資を依頼したZ社ですが、断られたばかりか、

厳しい意見まで言われてしまいました(前回のコラム参照)。


今回のような事態を招いたのは、

いいことばかり伝えていて、悪いことは隠していた

資金繰り表などの管理資料を普段から提出していない

相談が遅かった

といったことが挙げられますが、会社側からすれば、どれも致し方ないといったところかもしれません。

誰しも、悪いことは積極的に開示したがらないものです。

新規調達が難しくなってしまうという思いから、いいことばかり言ってしまう結果となります。

一時的な悪化ならそれでもいいでしょう。


しかし、今回のケースでは、一時的な悪化ではなく、徐々に体力を奪われていったケースです。

こういう場合、1年以上前から財務諸表に悪化の兆候が出ているケースが多々あります。

日頃から財務分析をしっかり行っていれば、もっと早く手を打てたでしょう。

そして、早く手を打てるということは、打つ手も広がるということです。

例えば、今回のケースにおける借入の返済ストップとは、対策の中でも下の下です。

他の手を打つ時間的余裕がなくなってしまったわけです。


銀行とのコミュニケーションという観点から見ても同じです。

銀行からしてみれば、

「このタイミングでそんなことを言われても困る」というのが本音でしょう。

「なぜ、もう少し早く言ってくれなかったのか?」というセリフがありましたが、

これが今回のポイントになります。

実は、悪いことほど早く伝えるということが重要なのです。

これは、銀行とのコミュニケーションに限った話ではありませんね。

悪いことを伝えると、状況が改善されない間は新規融資がストップするかもしれません。


しかし、いいことばかり言う会社と、悪いこともしっかり伝える会社と、

どちらが信頼されやすいと思いますか?


悪いことを伝えると言っても、赤裸々にそのまま開示せよと言っているわけではありません。

伝え方が悪く、万が一回復困難と捉えられた場合、新規融資どころか既存融資に影響が出る

可能性があります。

したがって、悪いことを伝える場合は、ある程度、戦略的に開示していく必要があります。

その前提として、悪化した原因はしっかり追究し、明らかにしておくべきです。

そのうえで、改善策を提示できるようにし、できれば事業計画に落とした形で開示できればベストです。


開示するタイミングも重要です。

今回のケースのように、悪化が末期に近くなってから開示するのでは、相手の印象は最悪です。

対策が打てないということもありますが、そもそも悪い情報をギリギリまで隠していたということ自体が、

信頼を損ねる結果となるのです。

逆に、兆候が出始めたタイミングや、悪化の影響が軽微なタイミングで開示することで、相手の信頼感を

得ることができます。

内容や計画によっては、V字回復のための資金を出してくれることもあるでしょう。


そのためにも、

・日頃から財務分析をしっかり行い、常に自社の置かれている状況をタイムリーに適切に把握する

・事業計画を作成しておき、計画どおりに進捗しているかを常に確認しておく

ということが大切になってきます。


財務分析や事業計画については別の機会に改めて触れますが、これらはコミュニケーションを取る上で

必要になるものだということを、頭の片隅にでも置いておいてもらえればと思います。

次回、B銀行への返済ストップの相談について書いていきます。


(つづく)

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