対象:住宅設計・構造
現在、湘南に自宅を建築中です。
吹抜の窓について質問させてください。
建築中の建物は、ダイニング約7畳が吹抜になっており、天井高が4m強あります。吹抜は建物の東南にあり、南と東にそれぞれ大きな窓があります。
窓は、フロアから2400mmまでと、梁の上部から天井までの1500mmで、巾は何れも2000mm強。なお、高窓はフィックスです。
当初、アルミの庇(出幅45センチくらい)を南面の窓につける予定でしたが、実際に窓がつくと、大きく空が見えて非常に気持ちよく、庇をつけると邪魔になるような気がしてきました。
下の窓は開くので、小雨が降ったときにも窓を開けられるよう庇を付け、高窓の方は庇無しにしようかと思うのですが、一方で夏の暑さが心配でもあります。
出幅4,50センチ程度の庇では、日差しを遮る効果もさほど高くないのでは?とも思え、また、窓のガラスは全て遮熱遮断ガラスを採用しているので大丈夫かな?とも思うのですが、いかがでしょうか?
是非、専門家のご意見をお聞かせ下さい。
よろしくお願いいたします。
困り虫さん ( 神奈川県 / 女性 / 33歳 )
回答:3件
実際のケースですが・・・
南向きの窓に庇が少しでもあると、暑さはかなり変わってきます。
軒を深く出したりするのは、もともと日本人の知恵でもあります。
夏の庇の入射角度が高い事もあるので50cmくらいでも有効でしょう。
またデザイン的に可能ならもう少し庇を出すと、さらにその効果は益すでしょう。
実際庇をつけないケースで行くと、すだれで日よけをしたりするようになる
可能性もあり、その時の見た目がOKなのかもあらかじめ考えておくといいですよ。
部屋内のブラインドやカーテンで対応するというケースもありますが、部屋内で
遮光しても熱はどうしても入ってきます。そのあたりを設計士の方と話をして
詰められるといいと思いますよ。
八納啓造 拝
回答専門家
- 八納 啓造
- (建築家)
- 株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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野平 史彦
建築家
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勿論、庇はあった方がいいですが、、
エドはるこ 様
新築、おめでとうございます。
湘南にモダンなお宅が建ちそうですね?
最近のモダンな住宅は、大きな窓に庇のないものが多く、夏は相当暑いのではないかと心配してしまいます。
昔の日本家屋は深い庇で夏場の太陽の熱を遮り、冬の暖かな日差しを取り入れる、というように、庇は非常に有効なアイテムでした。それは今でも変わりません。
今では庇に代わる方法も色々と考えられますが、モダンな住宅においても、そうした配慮を怠ってはいけません。
さて、その方法のひとつとして、遮熱ガラスを使っている、とのことですが、それが何なのか分かりませんが、一般的にはLow-Eガラスで50%、高遮熱ガラスで60%くらいの熱を遮断する、という事になっていますが、残りは容赦なく室内に入って来るということで、それだけでも夏場は相当暑くなります。通常は、それ+ブラインドなどで対処しているのかもしれません。
東側の朝日は太陽高度が低いので、夏もそれほど暑くないのでは?と思うかもしれませんが、これも相当朝からキツいです。しかし、これは太陽が低いので庇では対処できません。
南の庇、45cmでは、確かに小雨の時に少し開けておけるかもしれませんが、日射対策としては出幅が短すぎるでしょう。
空への眺望を確保し、庇を付けずに日射熱を遮るひとつの方法としては、外付けの電動ルーバーというのがあります。(写真)
これを使えば、90%以上の熱を遮断し、他の相反する要求にも応えられます。
参考にして頂ければ、幸いです。
最後に、建築中に色々と気付かれることがあるかと思いますが、こうした質問はぜひ、あなたの家の設計者にして上げて下さい。
設計者との信頼関係がなければ、あなたの家は決していい家にはなりませんよ。
宜しくお願いします。
森岡 篤
建築家
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真夏は庇は効果あり
エドはるこさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
太陽は、夏期高度が高く(78°)、冬季低く(31°)なります。
日本家屋の南縁側の半間の庇は、夏の日射を室内に入ることを防ぎ、冬は室内の奥まで太陽光を入れ暖かくすることができます。
先人がつくりあげた、非常に合理的な仕掛けです。
上部の窓の高さは1500と低めなので、450の庇でもそれなりの効果は期待できます。
ただ、ここで言う「夏」とは太陽の位置の話なので、最も太陽高度が高いのは夏至:6月です。
最近では、9月の秋分あたりまで暑いことがあり、この頃は太陽高度は半分下がってしまいます。
真夏は、室内に日射が入ること自体暑く感じられます。
私は、吹き抜けの窓(ハイサイド)には、横ブラインドを良く使います。
天気の良い日は、スラットを調整し、床面には日射を入れず、太陽光を反射して天井を照らすことで、室内を柔らかく明るくすることができます。
夜間は、スラットを閉じると壁の表情となります。
いかがでしょうか。
参考にしていただけたら幸です
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