起床後、あくびの連続、震え、嘔吐が続く

1才8ヶ月のミニチュアダックスは、じっとしていないくらい活発なワンちゃんが多いですから、ご質問の文面から、どこかに、何かありそうですね。こんな場合、当院ではどのように進めていくかを回答とさせていただきたいと思います。まず、消化器症状が少し出ているようですから、消化管のX線造影検査をします。特に胃の位置、胃壁、幽門部、十二指腸、小腸を精査します。ダックスもリンパ腫の多い犬種の一つです。またダックスは椎間板ヘルニアが多い犬種ですから、造影検査のフィルムで同時に頚椎、胸椎、腰椎をチェックするでしょう。 さらに一般血液検査で異常が無かったようですから、今度は代謝系をチェックするために、内分泌(ホルモン)系の定量をします。これらすべてで異常が認められなかったら、心エコー検査、血液ガス検査、血圧検査で心疾患を探していきます。これらでも異常が見られない場合は、稀な疾患が予想されますので、大学病院をご紹介するということになります。御参考に一つにして下さい。

気分が悪そうな感じ、嘔吐の症状から考えると消化器疾患、特に食道や胃にトラブルが存在する可能性はあります。症状は起床後だけにみられるのでしょうか?起床後のみに認められるなら、就寝中に胃酸が逆流したことにより、食道炎を起しているのかもしれません。この場合、一般的な検査ではあまり異常は認められません。もし起床時以外にも症状が認められるならば、若齢なので異物、中毒、炎症などが原因のこともあるでしょう。重症例では今回実施された検査や画像検査で分かる場合もありますが、内視鏡検査や組織生検でしか診断がつかない場合もあります。よって症状が悪化する場合には他の原因も考え、早期に追加検査をし、診断・治療をする必要があるでしょう。ただ状態が落ち着いているならば、制吐剤や粘膜保護剤の投与を数日行い、反応を見るという診断的治療も有用であると思います。