犬の腹部中皮腫の治療法について

他の腫瘍と同じく中皮腫の原因は、特定できません。また残念ながら現在のところ、寛解させるのが難しい疾患の一つです。癌性腹膜炎の場合、腹水が溜まってぱんぱんになると、それを抜いてやるということの繰り返しとなります。獣医臨床では制癌作用のあるベータ・グルカンの含まれたサプリメントをよく使います。御掛かりの動物病院にお尋ね下さい。

体の内側の肺や腸が入ってる面を中皮という壁で覆われています。その腫瘍を中皮腫というのですが、胸腔の場合はアスベストが関係あるといわれてますが、腹腔の中皮腫はその他の刺激、もしくは原因不明だと思います。何か慢性の腹膜炎の様なことが過去にあればそういうものも関係している可能性はあります。
治療ですが、外科的に取れるものであれば切除してその後、抗がん剤です。あまり効果がないことが多いです。
この子は食べないで、また嘔吐もするということですが、その原因が何かが問題です。すでに沢山腫瘍ができて吐くのだと難しいですが、腹水や痛みから来るものなら対症療法で取り除くことができるかもしれません。
どちらにしても治療が、抗がん剤のほうでいくか、緩和療法の方向で行くかを選択していただき決めるのがよいと思います。その子の年齢や主治医の意見をもとに考えてみてください。

中皮腫は犬では珍しい腫瘍であり、また胸水・腹水検査では反応性と腫瘍性の中皮細胞を鑑別するのが困難で、診断が難しい病気といえます。ヒトでは空気伝播したアスベスト繊維に曝露することが関係しており、犬の胸膜中皮腫においても高レベルで肺にアスベストがあることが明らかになっていますが、他の部位にできた中皮腫の病因は判明していません。
中皮腫は体腔表面にびまん性・拡散性に増殖するため、治療法として外科療法・放射線療法は一般的に適当ではありません。犬の中皮腫においては抗がん剤の体腔内投与が第一選択になり、一時的緩和として有効とされます。抗がん剤の体腔内投与は投与量等の方法論が確立されていないため、獣医師とよく相談し、納得がいく選択をされるとよいのではないでしょうか。