従業員の社宅について - 独立開業 - 専門家プロファイル

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

従業員の社宅について

法人・ビジネス 独立開業 2007/06/19 21:06

事業を始めるにあたり、地方出身の従業員を何人か雇いますが、彼らに自社所有の物件を社宅として提供し居住させる予定です。
そこで社宅の規定を作成しますが、退職の際の退去のタイミングについて、退職後1ヶ月以内に社宅を明け渡す旨規定するなど自由に会社で決めてよいものでしょうか。 6ヶ月の期間をおかなければならないという話も聞いてます。
実は私も前勤務先で社宅の退職時の明け渡しについてトラブルになっているのを見たことがあります。
法的なことも含めてトラブル防止策についてご教示ください。

miwaminさん ( 東京都 / 女性 / 36歳 )

回答:1件

後藤 義弘 専門家

後藤 義弘
社会保険労務士

- good

従業員の負担額がポイントです

2007/06/20 00:31 詳細リンク
(5.0)

miwaminさんご質問ありがとうございます。 後藤がお答えします。どうぞよろしくお願いします。

貴社所有の物件を社宅として従業員に居住させた場合の退職時の退去猶予期間についてのご質問ですが、これについては労働基準法に具体的な基準が規定されているわけではなく、当事者の契約の問題、つまり貴社従業員の社宅の利用に関し会社と従業員との間で実態としてどのような契約関係にあるかにかかってくると思われます。

この契約が一般に私たちが不動産会社を通じ部屋を借りる場合と同じく

''賃貸借契約''

にあたれば

''借家法''

の適用を受けることになり、退職時の明け渡しの請求について、仮に貴社の社宅規定が請求後1ヶ月以内の退去となっていても、この借家法の規定が優先され、お話のとおり(明け渡し請求の意思表示から)

''6ヶ月以上の猶予期間''

をおかなければならないことになります。つまり、借家法の適用がある社宅利用(つまり賃貸借契約)ということになれば、退職する従業員から見ると退職しても6ヶ月は社宅に住むことができる権利があることになります。 miwaminさんの前勤務先でのトラブルもおそらくこのあたりの問題が背景にあったものではないかと想像します。

では貴社の社宅利用についてどのような事情があれば ''賃貸借契約'' と認められ ''借家法'' の規制を受けることになるのでしょうか?

これについて最高裁判例では、「社宅」ということのみでストレートに借家法の適用がないとは言えず、使用料その他諸事情を考慮し賃貸借関係の存否を判断する立場をとっています。

つまりこの

''使用料 ( = 従業員の負担額 )''

が適否の判断基準で大きなウェイトを占めていると言ってよいでしょう。 ではその額・割合はどの程度かと言うと(法律の基準ではありませんが)

補足

''家賃相当額の3分の2以上''

が目安と考えられています。 例えば、貴社の社宅の家賃を世間相場に照らし10万円とし、従業員負担をその80%の8万円に設定した場合、上の比率を上回ることになり賃貸借関係の存在が推定され借家法が適用される可能性が高くなるものと思われます。

また、''使用料の額が少額'' であることで、この使用料が社宅使用の対価とは言えず借家法の適用がないとの判断を示す判例も多いのが実情です。 こうした判例の動向も考慮し貴社のケースにおいても、従業員負担額を少額に抑えることで借家法適用が排除される方向に働きやすくなり、結果貴社の作成する社宅に関する規定において合理的な猶予期間を設定(ご質問では1ヶ月)することができるものと思われます。
つまり借家法ではなく、社内規定に沿った明け渡しの請求が可能と考えられます。

退職に際し、従業員がこうした借家法の適用を主張し社宅からの退去がスムーズにいかないことで新入社員の住居確保に支障をきたす事態をご心配されているものと思われますが、これを避けるためにも、可能であれば上の目安(3分の2)を考慮し、従業員負担額を少額に抑える福利厚生設計が必要でしょう。



*◆◇ 「ハイブリッド型」 社会保険労務士が企業利益をクリエイト ◇◆
''Y'Sパートナーズ社会保険労務士事務所'' / http://www.ysp-sharoshi.jp

評価・お礼

miwaminさん

早速のお返事ありがとうございました。
とってもわかりやすい説明で大変満足しています。
もともと従業員には数千円の維持費程度を負担させることを考えていたので、先生のアドバイス通り退職時のトラブル回避を考えるとちょうどよかったわけですね。
これに懲りずまたご質問させていただきたいと思いますのでその折はどうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。

回答専門家

後藤 義弘
後藤 義弘
(社会保険労務士)
代表取締役

『提案力』 『コミュニケーション力』 に自信アリ

中堅中小企業の頼れるアドバイザーとして経営上の広い課題に横断的に対応します。経営者との良い協働関係を通じ、常に有益なツールや情報をご提案し、会社利益に積極的に貢献するとともにお客様の満足を超えるパフォーマンスのご提供に全力を尽くします。

質問やお悩みは解決しましたか?解決していなければ...

※あなたの疑問に専門家が回答します。質問の投稿と閲覧は全て無料です。

(現在のポイント:-pt このQ&Aは、役に立った!

このQ&Aに類似したQ&A

在勤中の起業について 志さん  2013-11-14 14:27 回答3件
個人事業主申請のタイミング rumi7さん  2013-09-02 13:44 回答1件
個人事業主?会社? synos-ttさん  2007-02-23 00:55 回答1件
早期退職優遇制度の利用について Umanosukeさん  2006-10-14 00:59 回答1件
写真館を経営したいです。 コロンコロンさん  2016-03-17 14:49 回答1件
専門家に質問する

タイトル必須

(全角30文字)

質問内容必須

(全角1000文字)

カテゴリ必須

ご注意ください

[1]この内容はサイト上に公開されます。

  • ご質問の内容は、回答がついた時点でサイト上に公開されます。
  • 個人や企業を特定できる情報や、他人の権利を侵害するような情報は記載しないでください。

[2]質問には回答がつかないことがあります。

  • 質問の内容や専門家の状況により、回答に時間がかかる場合があります。
気になるキーワードを入力して、必要な情報を検索してください。

表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング

メール相談

独立、起業、法人成り アドバイス

これから独立、起業、法人成り、副業などを検討している方へのアドバイス

谷 理恵子

谷 理恵子

(心理カウンセラー、起業コンサルタント)

メール相談

創業資金を借入するための起業計画メール相談(2往復)

元銀行員で、豊富な創業資金審査経験を持つコンサルタントが、起業計画書を事前に点検!

渕本 吉貴

株式会社FPコンサルタント

渕本 吉貴

(起業・資金調達・事業再生コンサルタント)

メール相談

【メール無料相談】 起業家のための生き残り財務戦略&資金調達

起業時の財務面、資金調達について、事業計画から税務面まで含めて、まとめてご相談に乗ります!

森 滋昭

森公認会計士事務所

森 滋昭

(公認会計士・税理士)

メール相談 創業資金を借入するための起業計画メール相談(1か月)
渕本 吉貴
(起業・資金調達・事業再生コンサルタント)