対象:住宅設計・構造
野平 史彦
建築家
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大変難しい問題ですね!?
これは大変やっかいな問題ですね?
まず、設計者がなぜ、民法の「敷地境界から外壁を50cm以上離さなければならない」ということについて初歩的なミスを犯したのか、施工者がなぜ気がつかなかったのか、そして、確認申請の時になぜ指摘されなかったのか、不思議ですが、今さらそんなことを言っても仕方ないですから、今後、問題にどう対処すべきか考えなければなりませんね?
まず、「現在造作に入っている」という段階ですと、木造3階建ての住宅はすでにもうしっかりと建ち上がっている、ということですね?
その状況の中で隣人から外壁を50cm離して建て直せ、との要求。
しかし、こうした民法234条の違反に対する隣人の要求は、建築に着手してから1年を経過した時、あるいは建築が竣工してしまった時には認められないのが通例です。それは、その時点では相手方の損害が大きくなり,社会経済的な損失が大きいと判断されるからで、今回、まだ竣工していなくても外観上はほとんど建築が建ち上がった状態であると考えられますから、隣人がこの時点で民法234条違反に対して控訴しても、棄却されるだろうと思われます。(但し、隣人から建築続行禁止の仮処分を受けていたらダメですが、、)
この場合、隣人は損害賠償請求の訴えを起こすことはできると考えられます。
外壁を耐火構造にする、というのは基準法第65条の規定でこの問題をクリアしようとのお考えと思いますが、木造軸組構造で耐火構造とする手立ては今までありませんでした(2×4工法ではすでに認定工法があります。)。
しかし、つい最近、はじめて木造軸組工法による耐火構造の大臣認定を取得した工法があります。日本木造住宅産業協会(木住協)が取得した工法で、これは木住協に加盟している会員工務店でなければ使用できないものです。
あとは、今の木造外壁の外側に鉄骨でフレームを組み(非耐力壁でも構わないので)、耐火構造の壁を造るという方法です。
補足
即ち、上記をまとめると、方法は次の3つです。
1) 隣人からの訴訟に対して、損害賠償を支払う。
2) 工務店が木住協に加盟して、木造軸組耐火構造の大臣認定仕様を使う。
3) 鉄骨で耐火構造の壁をつくる。
1) については、時間のかかることですし、新居に移り住む前から隣人ともめごとを起こしていては住みづらくなることにもなりかねませんから、あまりお勧めはしませんが、もしかすると、最も安く済む方法かもしれません。
いずれにしても、難しい問題ですので、一度、住宅問題に詳しい弁護士さんにご相談になってみた方が良いかもしれません。
ご参考まで
''失礼しました! 私の間違いです! 八納さんの回答が正解です!''
出先で書いていたので、私も勘違いしておりました。
''準耐火建築物''、又は''令136条の2の技術基準に適合する建築物(準防木3)''であればOKですね!
すいませんでした。
でも、重大事にならなくて良かったです。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
現在一戸建ての住宅を新築中です。
第一種住居地域、準防火地域木造3F建てで、現在造作に入っています。
この状況の中、隣地の方から建物から50cm離して建てなおせとと言われました。… [続きを読む]
kotoriさん (東京都/37歳/女性)
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