対象:心の病気・カウンセリング
パニック障害とは
突然、何の誘因もなく、動悸・息切れ・めまい・吐き気などの''パニック発作''が生じ、その後も繰り返す病気です。特に、混んだ電車内や狭い部屋など、密閉・密集した空間で起きるようです。そのうちに、また起こるのではないかという''予期不安''も生じるようになります。そして以前、発作を起こした場所や空間を避けるようにもなります(''広場恐怖'')。
原因としては心理的な葛藤も誘因となりますが、最近は脳内の神経伝達物質の異常が指摘されています。特に''大脳辺縁系・基底核''といった部位の''セロトニンやノルアドレナリン''の伝達異常が示唆されています。これらの異常が全身の神経系や内分泌系に波及し、上記のようなパニック発作を引き起こすのです。
パニック障害は治療をしないと''段々と悪化''します。発作自体も繰り返しますし、''二次的''に予期不安や広場恐怖が持続することにより''仕事や生活にも支障''を来たすようになりのです。またこの障害は''うつ病や躁うつ病''へつながることもあります。
治療はたいてい数ヶ月かかります。まずはパニック発作を抑えるための薬物治療を行います。''SSRI''といった''抗うつ薬''や''ベンゾジアゼピン系''の''抗不安薬''を用います。発作が消失した後は残存する予期不安や広場恐怖に対して精神療法を行います。
最近は''認知行動療法''が主流で、歪んだ認知を客観的に観察し、適切な思考・行動へ修正いたします。''治療者と共同''し、''ワークブック''を用いながら、''対人関係や社会生活を改善''していくと有用です。時には発作や不安の再発を生じることもありますが、服薬と行動修正を''継続''することで、徐々に改善します。気がつくと今まで避けていた電車や部屋へも入れるようになっていますから、どうぞご安心下さいませ。
茅野 分 (銀座泰明クリニック)
補足
銀座泰明クリニックへのリンクは以下へ移転しました。
http://ginzataimei.com
回答専門家
- 茅野 分
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
- 銀座泰明クリニック 院長
東京・銀座の心療内科・精神科、夜間・土曜も診療しております。
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この回答の相談
ある時、満員電車で発作と動悸、吐き気などをもよおし、倒れいてしまいました。それ以来、会社にもいけなくなり、医師の診断の結果「パニック障害」と診断されました。なぜパニック障害を発症するので… [続きを読む]
All About ProFileさん
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