対象:新築工事・施工
吉田 武志
建築家
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外壁材としてフレキシブルボード下見板貼りをした場合の経年予想
栃木県宇都宮市で注文住宅とリフォームを行う工務店・一級建築士事務所をやっております。ヨシダクラフトの吉田と申します。よろしくお願いいたします。
フレキシブルボードの下見板貼りを考えたことがあり、サンプルを取った経験があります。
施工例が建築雑誌に載っていました。見慣れない材料ですが、「何かいいね」と思ったので、8ミリ厚さのサンプルを取ったのです。
結論は、今のところ施工経験はありません。薄いので経年すると変形しそうで、クレームになりそうだからです。8ミリという厚さはどうにも心許ない。また、フレキシブルボードを下見板状にする場合の手間(コスト)が以外と掛かりそうです。
以下に、窯業系サイディングと三菱フレキシブルボードNの原料を比較し、以下に8ミリ厚さだと変形しそうだと考える根拠を書きます。
窯業系サイディングは、2008年2月にJIS規格の変更により、最小厚さが従来の12ミリから14ミリへと引き上げられました。それまで主流であった12ミリの窯業系サイディングは、薄さや施工方法に問題があり、変形したりして、耐久性に問題があることから最少厚さが14ミリになったのだと思います。
「ウィキペディアによると、窯業系サイディング材(ようぎょうけいサイディングざい)は、セメントと木質系成分を混合して製造される人工の外壁材である。」とあります。
「不燃ボード」三菱フレキシブルボードNは、 セメントと補強繊維を原料に高圧プレスで成形した、耐衝撃性・耐水性に優れた不燃ボードです。(三菱フレキシブルボードwebより)
窯業系サイディングとフレキシブルボードは、同じセメント系の材料です。主原料はセメントで同じと考えて良いのかと思います。
窯業系サイディングは、厚さ12ミリの製品を業界全体が止めるくらいクレームがあったのです。どう考えても主原料が同じ、8ミリ厚さの外壁フレキシブルボード下見板は変形しそうです。厚さも4ミリも薄いのです。
変形して隙間が空いても、下地の防水シートが効いていれば漏水の恐れはありません。ただ、前例が少ないので、経年変化の程度がわかりません。建物の出隅、入隅、開口部廻りが特に隙間が出来そうです。フレキシブルボード下見板貼りにしてあまり変形しないようにするなら、窯業系サイディングと同じ14ミリ程度の厚さは必要なのかもしれません。
専業の建築設計事務所は、新しい材料が使えて羨ましいですが、何故提案できるかを良く考える必要があります。設計施工で工事を請け負う工務店は、前例がないと怖くて請け負えません。使ってみて、ブログ等でレポートをお願いします。
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現在、新築で家を建てています。先週上棟したのですが、この後、外壁材を決めるタイミングです。
下見張りの雰囲気が気に入っているのですが、材料としてフレキシブルボードはど… [続きを読む]
max177さん (東京都/45歳/男性)
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