対象:住宅設計・構造
島崎 義治
建築家
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大変魅力ある敷地ですね。
とてもいい敷地ですね。南側だけではなく、北側も大変魅力ある敷地のようです。
素晴らしい住宅ができるように思います。
道路が南か北か、どちらについているのかがわかりませんので敷地のイメージがつかみにくいのですが、、、、文面から推測いたしますと、北下がりのひな壇で、南側は東と西に住宅が建っている。そうすると道路は南側ではなく北側であると判断できます。北側はほぼ180°眺望が開けているようですが、旗竿敷地ということは北側にも住宅が建つと考えてよろしいですね。北側の住宅の北面に道路がついていて、そこから竿部を通じてご自身の住宅にアクセスすることになりますね。
この前提で考えますと、リビングをどの階に配置するかというよりも、まず検討すべきことは、庭とリビングの方向をどちらに向けることがよいのかが重要なのではないでしょうか。日本では一般的には、つまりハウスメーカーや工務店では南側に庭やリビングの主採光面を設けることになります。一般的な敷地ではそれでもよいのですが、今回のような南も北も魅力のある敷地ではそのようなありふれた考え方ではもったいないと思います。
採光は南から、眺望は北からと、眺望と採光の方向が逆になっていますのでその点をどのように考えて設計するかが最重要事項だと思います。快適性や居住性はその点で決まってしまうように思います。
実は北側の大きなガラス面は夏の強い直射光は入ってきませんので大きなガラス面をとることができ、北側の眺望を見るにもとても快適です。工夫をすれば南からの直射光も取り入れながら北側からの眺望を楽しむような2面型のリビングにすることもできると思います。
庭は樹木のことを考えると南が中心となるかもしれませんが、コート的なものであれば北側の庭もいいものです。
まずはこの点を建築家とじっくり検討されてはいかがでしょうか。
その上で、リビングのレベル(高さ)を検討することになるわけですが、
1階レベルですと何より、庭とのつながりをつくることができます。室内空間と屋外のテラスや庭との一体感のある空間をつくることができます。ただ今回の場合、南側の敷地レベルが高いこと、一般的住宅の場合北側に寄せて建てることを考えると、南側の採光やプライバシーはあまりよくないと考えられます。旗竿地であることを考えますと北側のプライバシーも期待できない可能性が高いです。
2階レベルですと、採光も眺望も同時に確保することができそうです。また、直接庭に出ることはできないですが、樹木の樹冠の位置がちょうどリビングの目の前になり、快適なものとなると思います。1階の個室とリビングのつなぎ方、リビングを2面性を持ったものにするなどデザイン力が必要です。
とても魅力ある敷地だと思いますが、通常のやり方ではその魅力を生かしきれないような気もします。
住宅や建築の計画は総合的な判断が重要となりますので、文面だけからははっきりしたお答えができていないように思います。わからないことがありましたら、ぜひ、ご遠慮なく個別にご相談ください。
ぜひ、いいお住まいになさってください。
島崎義治
/株式会社島崎義治建築設計事務所
2012年、13年グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com Email:info@architect-studio.com
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この回答の相談
北向きのひな壇で旗竿地50坪を購入予定です。
東南、南西には1.5メートル程土地の高さがあり、住宅が建つ予定です。
また、北西には墓地があり、、という難ありなのですが、
高… [続きを読む]
camimaiさん (東京都/29歳/女性)
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