- 田村 祐子
- 白金台きもの学院 まゆの会 代表
- 東京都
- きものコンシエルジュ/きもの講師
対象:着付け・着物
長板中形 藍染の浴衣
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長さおよそ6m50cm、幅約45cmの一枚板に生地を張り、中位の型紙(約40cm)を用いて型付け(のりで防染すること)し、藍甕の中に浸して染めた浴衣を「長板中形」と呼び、明治後期までゆかた染の主流でした。
型付け(のりで防染すること)は両面行われるので、染め上がりの模様がはっきりとしていて藍の色が引き立ちます。
その分高い技術が必要とされますが、藍の模様がくっきりと際立ち、潔さと爽やかさを感じさせることから、江戸っ子の間で大流行しました。
また、藍は防虫や体温調整に役立つことから暮らしに身近な染めとしてずっと親しまれてきましたが、残念ながら現在では希少なものとなってしまいました。
写真の浴衣の素材は普通の浴衣と同様木綿ですが、藍染の最後の行程、水元(防染のりを洗い流すこと)でしっかり水が通っているせいか、フワリと軽く柔らかく、体温調整効果からか肌にヒヤッと清涼感があり、見た目のみならず、高温多湿な日本の夏を涼しく過ごす知恵であふれています。
そんな先人たちの知恵にふれる時、日本人でよかったなぁと思うのです。
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