大人のきれい字「日本語あれこれ！表現」　ー敬　パート2ー

こんにちは　今井淑恵です。

前号につづく「敬　パート2」をお送りします。

「敬」のつく熟語は、日常生活でもたくさん使われています。

手紙文では、「拝啓」と「敬具」は対の語句です。
改まった文章は「拝啓」ではじまり、季節の挨拶、本文･･･、
そして「敬具」という言葉で締めくくります。

相手の姿は見えないけれども、言葉を通して「礼を尽くす」表現は、
これからも大切に伝えてゆきたいと思います。

この号では、「敬う」に関連する四字熟語をみてみましょう。

★「敬」に関する熟語★

【 帰命頂礼 】
　　　……きみょうちょうらい……　仏を深く信仰して礼拝すること。「頂礼」は、頭を地につけて拝む意。

【 恐惶謹厳 】
　　　……きょうこうきんげん……　おそれ謹んで申し上げる意。手紙文の末尾などに用いる語。

【 敬天愛人 】
　　　……けいてんあいじん………　天を敬い、人を愛すること。（西郷隆盛の言葉、よく座右の銘にあげられる）。

【 三枝之礼 】
　　　……さんしのれい……………　親への礼儀を尽くし孝行すること。子鳩は親鳩のとまる枝よりも三本下の枝にとまって礼儀を守ることから。

【 一目置く 】
　　　……いちもくおく……………　囲碁で弱い方が先に石を置くことから、自分より優れた者として相手に敬意をはらうこと。

【 頭が下がる 】
　　　……あたまがさがる　………　敬服しないではいられない。（意味のにていることば：感心、脱帽）

★まだまだこんな言い方も★

　　感服　／　敬具　／　敬語　／　敬称　／　敬重　／　敬老　／　最敬礼　
　
　　崇める　／　尊ぶ　／　見上げる　／　リスペクト(尊敬)　／　仰ぐ　

ー参考資料ー
　　学研「ことば選び辞典」、学研「日本語知識辞典」、角川書店「字源」、小学館「慣用ことわざ辞典」、
　　広辞林、三省堂「例解新国語辞典」「新明解国語辞典」、講談社校閲局「日本語の正しい表記と用語の辞典」