- 堀 紳一朗
- 忘蹄庵一級建築士事務所 代表
- 東京都
- 一級建築士
対象:住宅設計・構造
工事費を抑えるために仕上げ工事など施工の一部を自身で行うことがありますが、柿渋で着色をして柿渋油で仕上げる方法を重宝しています。柿渋は防虫・防水・防腐効果のある自然素材でできた健康塗料です。青柿をつぶしてできた汁を発酵させるため本来は強烈な臭いを発しますが臭いの元を取り除いた無臭の製品があり手軽に使用できます。柿渋油は柿渋と同様の効果がありますが色はなく汚れ止めの仕上げとして使用します。柿渋は塗り重ねることで色の濃淡を調整しますが、日に当たることで濃くもなり変化が楽しめます。
改修工事で壁をシナベニヤの目透し張りにし、仕上げに無臭柿渋と柿渋油を塗りました。無臭柿渋を塗ると木部の目が荒れるので軽くペーパーを当ててから柿渋油を塗り込みます。いずれも拭き塗りなので塗装に高度な技術は不要です。ムラにならないよう薄く、複数回塗るのがポイントです。色は半年近くかけて仕上げた直後よりも落ち着いたあめ色に変化しました。