塩谷瞬さん謝罪会見を、学術的に分析?!
オールアバウト・プロファイルのコラムにふさわしいタイトルかわかりませんが...(笑)
先日、オールアバウト経由で、某テレビ局の方が「塩谷瞬さんの謝罪会見映像を見て、表情分析ができるセラピストを探しています」とお問い合わせがありました。
「本心から謝罪しているか、演技か」を、目線の方向などから見抜いてくれ、というお話で、あくまでも「学術的に分析して」ほしいということでした。
目線の方向から、脳のどの部分を使って思考しているか、ということについては、ある程度学術的にわかっています。
NLP(神経言語プログラミング)という分野で、「アイ・パターン」理論(タッド・ジェームス博士)を理解すれば、
相手が左脳を主に使って話し(理性的・論理的・作り話など)をしているのか、右脳を主に使って(過去のこと・感情的・情緒的に)話しているのかを、見抜けるのです。
ちなみにこれは、左利きか右利きかによって、変わってくるのですが。
そんなわけで、この知識を用いれば、テレビ局さんのご要望にお応えできるかな…とも思いましたが、
一方で、私の内面で「私がもし、塩谷瞬さんのスキャンダルに口を出すとするなら、言いたいことはそんなことじゃないなあ」
という思いがよぎり、言葉を濁して、「学術的に説明というのは、、、無理かもしれません」と言ってしまいました。
この一件がきっかけとなり、塩谷瞬さんのスキャンダルについて、考えてみました。
まず、youtubeで、塩谷瞬さんの謝罪会見映像を見てみました。
上記の「アイ・パターン」理論から考察しますと、塩谷さんは、車を降りて、集まっている記者たちを見ると、
視線を画面右下(本人の左下)に落とします。その後、会見開始直後にも、一瞬ですが同じように視線が
画面右下(本人の左下)に移動します。その後は、視線は下に向いたまま一切動かず、泣きながら頭を深く下げ、
退場しています。
この視線の動きだけから分析しますと、塩谷さんは(彼が右利きであるという前提で)、自分の内面で深く対話をし、
謝罪をしているということがわかります。
言い方を変えれば、狡猾に計算をして、演技で謝罪したわけではないと言えるわけです。
ところが、です。
つい最近、またしても週刊誌に別の女性と「塩谷瞬さん路上キス」のような記事が出てしまったそうです。
記事の趣旨としては、「塩谷瞬はまったく反省なんてしていない!」ということだったと思います。
これは、どう考えればよいのでしょう。
クリントン元大統領の謝罪会見
この一連のスキャンダルから、私が連想したのは、90年代の米国元大統領、ビル・クリントン氏の
「不倫事件」です。モニカ・ルインスキーさんという秘書と、「不適切な関係」を持った、というスキャンダルでした。
ご記憶の方も多いでしょう。
私が注目したのは、ビル・クリントン元大統領の謝罪会見での発言です。
完全な内容は覚えていませんが、主旨は以下のようなものでした。
「実は私は、アダルト・チルドレンです。母親と祖母という、
ふたりの女性の愛情の板挟みになり、双方のご機嫌をうかがいながら育ちました。そうした過去により、
ふたりの女性の板挟みになるという、パターンが身についてしまったようです。」
という内容でした。
大統領が、「アダルト・チルドレン」という言葉で自身を表現したことが、当時、私には新鮮でした。
日本では、首相クラスの人間が用いるほどには、「アダルト・チルドレン(AC)」という言葉が一般に
定着していると思えないからです。
「アダルト・チルドレン(AC)」とは、正確には「アダルト・チルドレン・オブ・ディスファンクションド・ファミリー
(機能不全な家族の中で育った、子どもの心性を持つ大人・ACOF)」という意味で、
アメリカのケースワーカーたちや当事者によって、自然発生的に作られた言葉です。精神医学の診断名ではありません。
もともとは、「アダルト・チルドレン・オブ・アルコホリック・ファミリー(ACOA・アルコール依存症者のいる家族で育った人)」
と言いました。
それが後に、アルコール依存症だけでなく、家族として健全な機能をはたしていない「機能不全家族」
で育ったと自覚する人すべてが、使用するようになった言葉が、広義の「アダルト・チルドレン(AC)」なのです。
AA(アルコホリック・アノニマス)を筆頭とした、依存症の自助グループ活動が盛んなアメリカでは、
「アダルト・チルドレン(AC)」という言葉が、大統領が用いるほどに定着しているといえます。
アダルト・チルドレン(AC)と、依存症
AC(アダルト・チルドレン)と各種の依存症には、密接な関係があります。
ACは各種の依存症になりやすいのです。
どうしてそう言えるかといいますと、ACは「機能不全家族」で育っていますから、クリントン元大統領が表現した
ように、「適切な人間関係」を築くのが下手、という傾向があるからです。
他人と、親密で適切な関係を築くのは、彼らにとって馴染みのない大変な作業ですから、
人間よりももっと関係を築くのが簡単なもの、例えばお酒、ギャンブル、、食べ物、買い物などと「親密で
不適切な関係」を築くようになります。そうした結果が依存症ということになります。
人間関係の依存症もあります。クリントン元大統領もそうでした。恋愛依存、セックス依存などがあります。
依存症には、「不適切な行為(大量飲酒や過食など)」をしてしまった後に、本気で後悔し、
自分を責める、という特徴があります。
しかし、どれほど後悔し、二度としないと誓っても、依存症者はまたくり返し「不適切な行為」をしてしまうのです。
これが、はた目には「ぜんぜん反省してないじゃないか」と見えてしまうのです。
依存症の治し方
さて、塩谷瞬さんのスキャンダルに話を戻しましょう。
上記のようなACについての知識をもって考えますと、塩谷瞬さんは、「恋愛依存症」ではないかな?と
推測されます。
不適切な二重関係などを持ち、強く反省・後悔するのだけれども、自分で望んでいないとしても、
同じような関係を繰り返してしまい、周囲から「反省している様子がない」と見られてバッシングされてしまう・・・。
そのことでまた、本人は傷つき、さらに「依存症」状態から抜けられなくなる・・・。
そうした依存症の悪循環から脱却するためには、「底つき体験」が必要になります。
当人が「このままでは、本当に自分がダメになる。依存症を治す魔法の薬なんか無い。自分を救えるのは、自分だけだ」
と心の底から感じ、「自分をこれ以上傷つけないために」、行動を開始する、しか道はありません。
また一方で、矛盾することを言うようですが、治るためには「自分は依存症なんだなあー。変える努力をしてきたけど、
自力ではもう、変えられないみたいだ。治らないなら、いっそ開き直って、後悔や反省をするのをやめよう。
依存症のまま生きてもいいじゃないか」と開き直る精神があってもいいのです。
不思議に思われるかもしれませんが、「開き直り」は依存症からの回復につながるのです。
自分を責め、後悔することが、一番、自分のためにならないことです。
塩谷瞬さんが「恋愛依存症」かどうかは、ご本人に会ったことがないので、確信的なことは言えません。
すべては、メディアの情報から、推測したことにすぎませんので、ご了承ください。
日本も米国のように、自助グループがあちこちにたくさん出来るようになると、良いと思います。
「恋愛依存症」なんて、医師は治してくれませんから・・・。
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