ご当地旅の時代 - 地域活性化・町おこし - 専門家プロファイル

井門 隆夫
株式会社井門観光研究所 代表取締役
東京都
マーケティングプランナー

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対象:イベント・地域活性

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新聞や雑誌で「ご当地旅」「現地発着旅行」の取材記事や特集が目立ってきたのにお気づきでしょうか。やっと消費市場に気づいてもらえるようになってきました。全旅が「地旅」に取り組み始めて10年近く。感無量のものがあります。

一方、とかく「現地発着旅行」というと「儲からない」という評価がついてまわります。それは「社員一人当り年間○千万円もの取扱高を望んでいる会社」だとしたら、当然です。発地からの足付き旅行と同じ感覚で儲けようと考えるのなら、すぐにやめたほうが無難です。

現地発着旅行とは、運輸機関のネット販売シフトと並行して発展します。航空券が個人でもインターネットで割引購入できるようになった今、次の課題は、現地の二次交通や宿泊をいかに割引で買えるか、あるいは、付加価値のあるパッケージとして購入できるか。その答えが「現地発着旅行」です。

津々浦々まで鉄道網が張り巡らされ、各県に空港が設置される日本では、どうしても運送コストが高止まりしてしまいます。それを少しでも割引で購入したいという旅行者の願いを長きにわたり叶えてくれたのが「団体割引」でした。個人でもパック旅行に参加すれば、団体割引で旅行ができました。

しかし、インターネットが静かな革命を起こしたのです。「早割」「特割」「Web割」「LCC」。様々な個人向け割引運賃が制度化され、航空運賃が自由化されつつあります。

これに呼応するように、北海道や九州・沖縄で現地発着旅行が活性化し始めました。

日本型現地発着旅行の特徴は、地域の女性やシニア、Iターン組や在日外国人など、これまでと違うプレーヤーが主役になれること。一種の社会起業により、地域の生産性を高める役割を果たしつつあります。

日本の観光GDPを向上するためには、こうした方々が「小さくとも価値の高い」新しい観光を創造することが必要不可欠なのです。

お次は、JR。鉄道にもレベニューマネジメントの発想が加われば、全国で現地発着旅行のつぼみが花開くことでしょう。

(トラベルニュース4月25日号「井門隆夫のCS宣言」)

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