- 萩原 貞幸
- 株式会社ファンドファンクション 代表取締役社長
- 大阪府
- 経営コンサルタント/起業家
対象:財務・資金調達
アップル株主還元実施。
約17ぶりの配当再開と自社株買いで、
今後3年で約3兆7千億円を株主に還元するという。
研究開発、企業買収、店舗展開に投資しているが、なお十分な資金があるからだという。
確かに、マイクロソフトやグーグルの倍ぐらいのキャッシュが積みあがっている。
こういった場合、アメリカのような株主主義の国においては
「配当を実施せよ。」「配当性向を上げよ。」という声が上がるのももっともだが、
私は、株価の上昇によって株主に対しては十分に報いていると考える。
したがって、私がアップルのCEOであれば配当は実施しない。
理由は次の3つです。
1.革新的な商品、サービスを生み出すのは簡単ではない。
今のアップルは好調だ。しかし、10年前は苦境にあえいでいた。
それぐらいIT業界で革新を続けていくことは難しい。
できたとしても、そこには当然時間がかかってしまう。
その時に、それをしのぐために、時間を稼ぐために
資金は必要なのです。
アップルがこのままiphoneやipadで好調を持続することは難しい。
絶対に踊り場がくる。踊り場ぐらいならましで、陳腐化するときがくるかもしれない。
そのときに備えて、資金は必要なのです。
ましてやスティーブジョブズというカリスマが居ないのだから。
2.積極的M&Aに出る
3兆7千億円もの高額資金を使えるのであれば、それなりの使い方をする方がよい。
高額な資金を出せるということだけで差別化になる。障壁があるわけですから。
そこで私なら、パナソニック、ソニー、任天堂の買収みたいなことを考えてみる。
金額にして2兆弱。特に日本企業にこだわっているわけではないが、
それぐらいの大型買収によって、革新を得られないかを考えるということです。
3.いっそ寄付する。
株主に還元し、今回配当に支払われた数兆円の資金が
再び株式市場に流れ込むのであれば、
少しぐらいの経済対策になるかもしれない。
また、すべて消費にまわれば景気を刺激するかもしれない。
しかし、支払われた配当は 一気に投資や消費に向かうわけではないので、
結果、株主のところにいって「はい、おわり」ということで、
アップル社として何も得られないのです。
であれば、いっそ寄付をして
企業イメージを上げ、次世代のお客様候補の
ハートをキャッチする方が有益である。
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