与えるからもらえる「相互性の原理」(1)
前回「返報性の原理」について触れました。
「もらうと何かお返しがしたくなる」
そんな心の働きでした。
心理学では・・・これとほぼ同義の言葉に、
★「相互性の原理」(Reciprocity Principle)
があります。
「相互性の原理」は、「相互主義」「互恵主義」なども訳され、
社会学、政治学、経済学など広範囲で使用されている言語です。
ちなみに「相互主義」を辞書でひくと、こんな意味です。
《principle of reciprocity》
1 外交・通商関係において、
相手国の自国に対する待遇と同等の待遇を与えようとする主義。*1
2 外国人に権利を与える際、その外国人の本国が
自国民に同等の権利を与えることを条件とする主義。*2
なんだか難しい表現ですが・・・双方とも、
「相手が自分に対して何かをしてくれたら、
それ相応のことを返します」
ということですね。
「あなたの国で、日本製品の輸入を認めてくれたら、
そちらの製品も、輸入します」
と、こんなことです。
「互恵」という言葉で考えると、わかりやすいと思います。
「お互いに恵む」です。つまり・・・
「互いの利益を尊重して動く」
「互いの利益になるように考える」
「互いの利益のために行動する」
といった意味合いになってくると思います。
『7つの習慣』という全世界でベストセラーなった自己啓発本が
ありますが、この本の中にある表現を使うなら
★Win=Winの関係((『7つの習慣』(著 スティーブン・R. コヴィー , ジェームス スキナー キングベアー出版)
といったところでしょうか。
それは、「どちかが勝って、どちらかが負ける」のではなく、
双方ともに勝者になるよう考え、行動するということですね。
では、これを心理学では、どう考えるのでしょうか?
次のコラムで、考えます。