直訳の限界 - 英語全般 - 専門家プロファイル

鈴木 将樹
英語総合即戦学校 
英語講師

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閲覧数順 2024年04月22日更新

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直訳の限界

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さて、今回は個人的な体験から、英会話力アップに生きる話を。


ここ数年ある鍼灸の学会から依頼を受けて毎年一回数日間のセミナーの通訳をしている。この学会の先生に、いわゆるカリスマというか、独自の理論で新しい鍼灸の治療法を開発した人がいて、その人の講義を聴きに毎年アメリカから鍼灸師がやってくるわけである。この人は、奥さんが脳梗塞で倒れた時、病院に行かず毎日ハリを打ってそれだけで治したとか、ガンを治した、とかそんな話には枚挙にいとまがないぐらいだ。


毎年、この仕事をするたびに、基本的に英語を日本語、もしくは逆、に直訳するのは無理であって、そのエッセンスをつかんでうまく通訳をする必要があるなあ、と改めて思う。


簡単な例で行くと「お疲れ様です」「御苦労さまです」。こんなのは英語にはない。同じように英語の表現を直訳しても変になることは多々ある。感謝の表現の一つに、「I appreciate...」というのがあるが、このappreciateは「高く評価する」という意味で、例えば「I appreciate your kindness」と言えば、「親切にありがとうございます」という訳になるが、「あなたの親切を高く評価します」ではまったく変な日本語になる。


通訳という観点から言えば、話者のニュアンスを最大限に生かす必要はあるが、ときには大胆に言葉を変えたほうがいいときもある。その人の日本語を英語にする場合には、何通りも訳し方があり、その中で一番ニュアンスが近いものを選ぶ必要があり、直訳に頼っていてはそれはできない。


これは英会話にも生きてくる話だと常々思っている。


例えば、流暢さがないという人の場合には、日本語をそのまま訳そうとして言葉が見つからず、そこで会話が止まってしまったりする。逆に、流暢な人というのは、その日本語が直訳できなければ、まず日本語を変えてみて違う英語の文をさっと作ったりできる人である。特に日本語には奥ゆかしい表現も多い。直訳には限界があり、柔軟にひとつの日本語の文を何通りもの英語の文にできる力を磨くとどんどんと流暢性が上がってくると思う。




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