設計の賠償責任保険。

実は設計という業務において、アフターサービスや保険・保証というのは、ごくごく一般的な住宅メーカーや不動産屋住宅や工務店住宅においては設計事務所はまったく行いません。

いえいえ、行えません。

何かの瑕疵がでて、たとえ設計の責任だとしても、企画や基本的なプランニング、デザイン、構造などは何も行っていませんから、それはメーカーや工務店などが行うことになります。



昨今は姉歯さんの事件以来、設計者の責任というのがとても大きくなりました。
しかし、何もやっていないのですから当然責任などは負わない。


つまりメーカーや工務店の営業さんから送ってきたプランやデザインを図面にするだけで、何千万にもなる建物の保証やアフターサービスなど間違ってもしません。

って言うか、できません。


あくまでも、自分が企画から現場まで行った仕事に対してアフターサービスや保証はするのであって、部分に対しては部分の責任しか負いません。
たった１０万円の設計料で、何千万の保証なんてやりようがない、無理！ってことです。
そもそも、それは自分が考えたもんじゃない・・




でも、メーカーや工務店は何かの瑕疵があると例外なく言うのです。
これは設計の間違いですので・・
ようするに、自分達には責任がないと人のせいにします。


まあ、１００％そういいますね、そうやって下請け設計事務所を使い捨てるんですよ。


ですから、お客さんの方はどんな建て方の住宅であっても、設計者や監理者という人を明確にしておかなければなりません。


自社設計ですので・・
なんて言われて終わってしまっては絶対にいけません。


自分の家を誰が設計したのか・・
その設計を、保証するのは誰なのか・・


設計者と監理者のいない住宅は確認申請に合格どころか申請することもできません。
メーカーだろうが工務店だろうが、必ず確認申請には設計者と監理者の名前が書かれています。

それが、誰で、どこの人なのか？
いったい誰が設計に対して保証をするのか？


これを明確にしておきましょう。







我々、設計事務所というのは基本的に・・


必ず責任賠償保険なるものに入っています。
というか、入らなければならない・・
はずなのです。



今は、これに入らなければ設計事務所を開いてはいけないことになっているからです。
正確に言うと、賠償できる能力をお客さんに開示しないかんってことなんですが・・
まあ、大金持ちなら入らんでもいいってことですか。

ただ、開示するだけで入らないかんってわけではないのがミソ・・



これは、ようするに我々建築士などが設計した建物に設計監理上のミスがあったり、それらによって事故があったりした場合に設計監理した建物を保証するために入る物です。

建築士賠償責任保険とか建築家賠償責任保険、俗に「ケンバイ」などと言いいます。



我々の仕事というのは、収入の割に扱う額がとても大きな仕事です。
先に設計料でたとえた、３０００万円の木造住宅の設計監理料が３００万円とします。
３００万って言ったって実際半分は経費で、その他外注費や人件費で実際事務所に入るのは数十万程度のもんなのです。

そんな収入で、３０００万の家がもしなにか、あってはならないことがあって・・

考えたくもないですし・・
実際、そんなこと過去にはないのですが・・

絶対ないとはいえない、原発だってあんなことになるのですから。



そう、あってはならないことがあったとすると・・
それを直すだけで何百万なんて簡単にかかってしまいます。
下手して建て直すなんてことになると、３０００万以上かかる。



収入数十万で、そんなもん払えるわけがないのです。
そんな収入の事務所に銀行だってそんな額貸してくれる訳がない。


だから・・保険です。


ところが、この保険、ご想像の通り支払額が大きいので、けっこう高いのです。

そして、設計事務所登録していなければ、法的に開示する義務もない。

そう、実際には入ってない人がけっこういる・・



登録していない下請け設計事務所・・
登録してても入ってない設計事務所・・
工務店の設計施工・・
不動産屋住宅の設計・・



おたくを設計した設計事務所は保証できますか？

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