よく質問されることがあるのですが・・
壁紙は白なのですが床は何色がいいでしょうか?
とか・・
家具は何色が合いますか?
などというのがあります。
実は・・
これでは、我々にはまったくわかりません。
これで平気で返答する人はインチキか無知かです。
白にもいろいろあるのです。
真っ白なオフホワイト・・
マンセル値 N10
RGB 255.255.255
という色は建築において実はほとんど、いやまったく存在しません。
まず、WEB上の理論表示値などとは違いホントの0値という色の物を作ることが不可能に近い。
そして、本当のオフホワイトというのはあまりに明るくて目がちかちかしたり、もの凄く汚れやすかったりで、建築にはあまり向かないのです。
たまに、それに近いような建物も見かけますが、大型の建物の場合は当初から汚れ防止などを徹底的に行うために相当なお金を掛けたりしています。
とある全体をオフホワイトに塗った住宅を知っていますが、その家では毎週毎週日曜に家族総出で外壁を掃除するのだそうです、当然汚れ防止措置した壁なのですが1週間で汚れてしまう。
それはそれで家族の団欒が生まれるそうですからいいのかもしれませんが・・
住宅ではまず無理なのです。
ですから少し色が入る。
白でも系統がある。
そう、どんな白なのかが大事なのです。
どんな白には何色があうのか・・ということ。
もちろん、これは白という色に限ったことではないのですが・・
どんな白なのか・・
というのは、白は白でもどういう系統の白なのか・・ということで。
少しだけ入っている白以外の色が・・
どういう系統の色で・・
どういう彩度・明度で・・
どのくらい入っているか・・
ということ。
つまり・・
たとえば、日塗工で05-92Bという番号の色はそれだけ見てると白に見えますが・・
マンセル値で5R 9.2/1ですからRつまり赤が入っているレッド系の白。
あるいは、日塗工でN-95という番号の色はやっぱり白に見えますが・・
マンセル値でN9.5ですから少し黒系以外ほかは何も色の入っていないグレー系の白。
ということになります。
このように白にも赤系・黄系・青系・緑系・グレー系などなど・・
いろいろな系統があります。
そしてそれらの白がどのくらいの彩度でそのくらいの明度なのか?
ということ。
白色を選ぶ際には特にこの色の系統をしっかり見ないといけません。
難しいことではありません、何もマンセル値を確認しろなんてことではない。
いくつかの白色を並べて比べてみればいい・・
他の白に比べて、黄色く見えれば黄系で、青く見えれば青系です。
床のフローリングを赤系色の桜材や松材にした場合は・・
壁や天井のクロスや塗装は同系色の赤系の白や近隣色の黄系の白などにしなければなりません。
あるいは、あえて補色・反対色の緑系にする・・まあ冒険ですが。
ですからただ白い壁には何色があいますか?
ではなく・・
何系の白色の壁には・・と聞いて下さい。
まあ、さらに言えば、どんな明るさや彩度なのか?
どんなテクスチャーなのか?
なのですが・・
白は白でもいろいろあるのです。
間違えると大変です。
Atelier繁建築設計事務所HP
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