間違いだらけのカーテン選び  ~色と柄 (白神話?)~ - インテリアコーディネート全般 - 専門家プロファイル

丸山 千里
DECORADOR デコラドール 店長 / デザイナー
東京都
インテリアデザイナー

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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間違いだらけのカーテン選び  ~色と柄 (白神話?)~

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カーテンを販売していますと不思議なことに気付きます。それは白(系)や無地(系)のカーテンの要望がかなり多いということです。中には「白以外のカーテンなんてあるんですか!?」なんて聞かれたこともあります。

なぜこのような事が起こるのでしょうね?自動車は白が一番良く売れるという話は聞いたことがありますが・・・。家電は白と言う時代はありましたね。インテリアで言えばカーテンや壁紙にもその感覚が残っているのでしょうか。洋服は白無地が多いわけではないですし、バッグやアクセサリー、携帯電話なども様々なデザインや色を皆さま楽しまれています。

もちろん白や無地がベストでその空間に適しているケースはあります。
しかし、意識を持って白を選ぶのとただ単に固定観念に捕らわれて白を選ぶとでは大きく意味が違ってきます。インテリアやホームデザイン関連の雑誌を見ますと白の使い方はそれほど多くはありません。カーテンに白を持ってくる時は逆に壁の色が濃い色だったりします。

白や無地はモデルハウスやショールームでは良く使われています。
それは生活感を感じさせずにお部屋がモダンにシャープに格好良く見えるからではないでしょうか。確かに見せる側からすれば生活感を出す必要はないかと思います。住宅を売ることが目的なのですから。しかし実際に住むとなると生活感を出さずに生活できる人は多くはないと思います。そうなるとショールームで見た印象が一気に崩れていくことになります。ディスプレイと実生活は違いますからね。

このような現象が起こる理由は”日本人は白が好き”という以外にもいくつも考えられます。よく“カーテンは白系、無地系にして壁に近い色にすればお部屋が広く見えますよ”という説。ある意味事実だとは思います。しかしそうであれば家具も家電も洋服も食べ物も全て白にすればものすごく広く見えるということになります。そんなお家嫌ですよね?であれば広く見せることが最優先ではないはずですし、何より広く見える部屋が必ずしも心地良い部屋ではないということです。壁やカーテンだけ白系にして家具等少量の物に色がついていると広いキャンバスの中心部分のみに絵を描いているような感じです。中心にあるものだけが目に入ってきてまとまりのない空間になりがちです。キャンバス全体を意識して初めて絵として成立することのほうが多いのではないでしょうか。

ではなぜ壁やカーテンだけ白系が推奨されることが多いのか考えましょう。
まず言えるのは無難なカラーのため万人受けします。可もなく不可もなくということでクレームにもなりにくいです。注文住宅以外では予め壁紙がほぼ決まっていることが多いです。選択肢があっても似たり寄ったりでテクスチャーが若干違う程度。家を建てる側としてはある程度材料も絞れ、材料の仕入においてもスケールメリットを得やすくなります。クレームも最小限に抑えることができ大変都合がいいのです。しかも始めから施工されている場合、材料に高級品が使われていることはまずありません。カーテンに関しても同じように、白無地系は提供側からすれば比較的楽な商品開発と提案で済みます。それにより確かに販売価格も下げることができます。

この辺りの事情も消費者の方々には是非もう少し意識して頂きたいと思います。
なぜ日本の家の壁は全部白なのだろう?”という見方をしなければ全て業者側の押し付けで提供されたものが標準であると勘違いしてしまいます。この辺りのお話はまた別のコラムでしますね。

そしてもう一つ覚えていて欲しいのは、消費者だけでなく住宅を提供している業界内の人達、例え立派な肩書を持っていてもそれが標準だと勘違いしている人が多いということです。”白神話”が一向になくならない一つの大きな要因です。

今の日本人は流行なのか白を好む方が多いのかもしれません。
しかし歴史的見ても装飾品が白で無地のものが主流だった時代はあまりないのではないでしょうか?伝統工芸品から着物や洋服、服飾雑貨に至るまで素晴らしい色彩とデザインの物がものすごく多いですよね。日本人は昔からオシャレなのです。綺麗な物が好きで繊細な物でも感じ取れる感性を持った民族だと思っています。そのようなセンスは外国人からも評価されていますね。

世の中には素晴らしい色、柄、デザインのカーテン生地や壁紙が沢山あります、むしろそのほうが多いくらいです。

そろそろインテリアにおいても”白い”殻を破ってみてはいかがでしょうか?もっと楽しい世界が広がるかと思います。

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