間違いだらけのカーテン選び  ~カーテンの役割~ - インテリアコーディネート全般 - 専門家プロファイル

丸山 千里
DECORADOR デコラドール 店長 / デザイナー
東京都
インテリアデザイナー

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閲覧数順 2024年04月25日更新

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間違いだらけのカーテン選び  ~カーテンの役割~

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ヨーロッパでカーテンは元々防寒対策として使用されました。石造りですきま風が吹くの建物の中で、ファブリックを壁に掛けたりベッド周りで使ったり。その後は機能性だけでなく装飾性を重視するスタイルにどんどん変化していきます。

今の家の中でカーテンってなんのためにあるのでしょうか?恐らく多くの人が目隠しのためと考えてませんでしょうか?その他は遮光効果、防音効果、保温効果、防炎効果、消臭効果なんてものもありますか?これらは全て機能的な事で特に日本のカーテンメーカーが得意とする分野です。これだけ機能性に富んだカーテンは世界中探しても他にはないでしょう。

遮光については、遮光カーテン=良いカーテンと誤解している方も多いです。ですが遮光性というものは人によって感じ方も違い良し悪しではなく必要かどうかの問題なのです。例えば、寝室でも朝が来たことがわからないことが嫌な人にとっては遮光カーテンはデメリットになります。更に海外では日本ほど陽射しが強くないせいもありますが、遮光カーテンという概念がないため始めから遮光になっている生地はほとんどありません。もちろん裏地によって陽射しを調整することはあります。

しかし、機能性だけでいいのですか?私はあえてNo!と言います。カーテンというものはお部屋の印象を決める大きな要素であることに気付いている方はまだまだ少ないです。だから「目立たない白っぽい無地系のカーテンが一番いい」という意見がでてきそうですが、そのことは別のコラムで。

リフォームほどの大げさな事をしなくてもカーテンを変えるだけでお部屋の印象は変えられます。もちろんそれに合わせてクッションなどの小物を取り入れてトータルコーディネートは必要です。更に生地ですから、どのようなスタイルやデザインにも加工でき、装飾効果が非常に高いのです。窓周りを飾ることは部屋に絵を飾ることと感覚が似てるかもしれません。どのような絵をどのような額にいれて飾ろうか、と考えることとすごく似ている気が致します。

別に窓がない場所でも装飾できるのです。ちょっとした間仕切りや壁自体に、又はベッドの周りにファブリックを使って装飾ができるのです。窓に掛けるカーテンという固定観念ではなく、ファブリックを使ってお部屋を飾るという発想をしたいですね。それによって温か味、高級感、スタイリッシュ感などが演出でき、お部屋が素敵な空間に生まれ変わります。

その装飾性という部分が全く日本では注目されていないのは非常に残念です。日本の住宅関連会社やカーテンメーカーさん達はなぜか機能性と低価格の部分しか宣伝しません。化学繊維で大量生産すれば当然価格は安くなるので無理もないとは思います。しかしそのようなことだけでは消費者にカーテンの本来の良さや楽しみ方が全く伝わりませんしそういう商品が“標準”として確立されてしまいます(既にされています)。それによってカーテンはお金をかけるものではないとか安いのが当然という感覚が定着しています。

対して西洋のカーテン(生地)は多彩な色や柄、素材、風合いに至るまで日本の物とは正反対で装飾性も非常に高いのです。その分野では日本のメーカーはまだまだ遅れを取っています(その代り価格が高めで上記の機能性では劣るものが多いです)。見る目のある日本人ですから良い物の見分けは付きます。ただそういう良い物を知らない、触れたことがないというのが現状です(もちろんそれは知らせない方が悪いのであって決して消費者が悪いわけではありません)。種類が豊富な輸入生地は安いものから高いものまで幅広くあります。沢山あるはずの選択肢を知らされることなく、型にはまったもの・スタイルだけを与えられているに過ぎないのです。

本来であれば機能性と装飾性両方を兼ね備えていて更に価格が安い商品が一番なのですが、残念ながらそのような商品は極僅かです。輸入生地は需要が増えてくれば価格ももっと下がってくるでしょう。まだまだ内外価格差の大きい商材であることも事実です。

洋服でもファーストファッションのような低単価でカジュアルなものもあれば、最高級の生地でフルオーダーで作る服もあります。1枚五百円のTシャツがあれば1枚一万円のTシャツもあります。もちろんその中間というのも当然色々あります。スポーツをする時にシルクやカシミヤのウェアを着る人は少ないでしょうし、結婚式等にジャージで行く人も少ないと思います。ですが、家・家具・車が高級なのにカーテンは・・・というケースは意外とよくあります。

そのアンバランスさが非常に悲しく、また家(建物)とインテリアをトータルで考えられない住宅産業の仕組み自体が問題なのです。家(建物)を売る側の人がインテリアを疎かにしてきたことと、カーテンやインテリアを扱う人が消費者にきちんと良さを説明してこなかったことの結果なのです。家具や照明と同じようにカーテンにも選択肢が沢山あり、あなた自身でお好みの生地を是非見つけて下さい。

何事もバランスが大切です。

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