私の病院での専攻は整形外科ではなく内科なので、さすがに腰痛や肩凝りだけで私の診察を受ける方はごく少数です。多くは腹痛、頭痛、手足の冷え、動悸などの症状を同時に訴えており、糖尿病や高血圧など内科系の疾患を併発している方も少なくありません。
腰痛や肩凝りなどを訴える方に対しては、軽症ならば湿布や痛み止めの薬などを処方しますが、比較的症状が強い方や急激に発症した方に対しては、レントゲン撮影やMRI撮影をして骨や関節などに明らかな異常がないかどうかチェックします。
レントゲン等で異常が認められる疾患としては、慢性関節リウマチや椎間板ヘルニア、椎骨すべり症などが有名です。これらの疾患が判明した場合には、整形外科やリウマチ科などの専門診療科で、手術や薬物療法などの専門治療を受けることになります。
ただ、日常診療や企業現場などで通常よく遭遇する腰痛、肩凝り、関節痛の類は、このような手術や専門治療を必要とする種類の病気ではありません。たいていはレントゲンなどで「異常なし」と判定され、湿布や痛み止めの薬などを処方されて終了するケースが大半です・・(続く)
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このコラムの執筆専門家

- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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