- 近藤 壯一郎
- 台所計画工房 キッチンスペシャリスト
- 神奈川県
- リフォームコーディネーター
対象:住宅設備
- 松林 宏治
- (住宅設備コーディネーター)
- 松本 秀守
- (住宅設備コーディネーター)
アメリカでは18世紀中頃から調理もできるストーブ(クックストーブ)が登場し、その燃料は、薪、石炭、灯油、ガス、電気と時代に連れて変遷してきていますが、これがずっとキッチンの主役でした。
その影響で現在でもコンロ、レンジのことを「ストーブ」と言っていて、アメリカではレンジRangeと言うよりストーブStoveと言うほうが一般的なくらいです。
現代のレンジは、上部に複数の火口があるオーブンと一体型になっているもので、熱源はガスまたは電気です。クックストーブの発展型と言えます。
設置方式は独立型(フリースタンディングタイプ)なのでビルトインはできません。
欧米ではこのタイプは非常に多く、アンティークデザインのもの、業務用(プロ仕様)風のもの、モダンデザインのものなど実に様々なスタイルのレンジがラインアップされています。
日本にも輸入されているものがあるのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。
ロジェール、マジックシェフ、アマナ、バイキング等です。
国産では、業務用でこの形のレンジは多数ありますが、家庭用としては現在一機種もありません。
一方、上の火口だけのタイプはクックトップと呼ばれ、1946年にアメリカで登場しました。カウンタートップ上にはめ込むタイプのもので、どこにでも組み込めることからキッチンのレイアウトの幅が広がったと言われています。
熱源別(ガス、電気、IH)、火口の数や並び方、トッププレートの形状や素材などでやはり非常に多くのデザインのクックトップがあります。
日本では、このタイプの卓上型のものをコンロと呼んできました。ただ、主流ははめ込み式ではなく単体で置くテーブルコンロというものでした。
国産の、「システムキッチン」に組み込むドロップインコンロが登場したのは1975年です。最初の頃のドロップインコンロはグリル室がない、欧米スタイルのクックトップで火口が4つありました。
1980年代中頃からは4口のグリルなしドロップインコンロに代わって、火口が3口で下に魚焼用グリル室が付いたビルトインコンロ(日本独特の製品)が、この頃から本格的に普及してきた「システムキッチン」の標準装備品となり、今ではそれが当たり前のようになっています。
このビルトインコンロは、メーカーも何社かあって機種も豊富ですが、「形」は基本的にみんな同じです。欧米の製品のような個性的なデザインのものは見当たりません。
国産製品ではグリル無しのクックトップもまた復活しています。
ガスでは、リンナイ製。4口と2口のステンレスボディのスタイリッシュなモデルがあります。
イタリアなどのメーカーのデザインにも似ていますがなかなかいいと思います。
IHでは、やはりリンナイ製のほかパナソニック製もありますね。