2003年に、同じ世代の無症状の人たちで、前立腺分泌液のなかの白血球,菌を調べた結果を比較し、症状のある人たちと、対照群(無症状の同世代)とで、菌の発見率が同じだったという研究結果が得られました(アメリカ泌尿器科学会機関誌. 2003 9月号)。
これまで、菌や白血球が見つかれば前立腺炎の診断して治療してきたのに、前立腺の炎症が原因かどうかもわからないという状況なわけで、この研究の与えたインパクトは大きいものです。
そこで、内科や脳外科を受診しても異常がない、と相手にしてもらえない頭痛の患者さんに例えて、「骨盤の頭痛」という名前の解説書も現れました。 あるいは、すべてまとめて慢性骨盤疼痛症候群と呼ぼうという動きもあります。
この症状について、特定できる原因はなく、骨盤底筋の緊張や精神的な要因が関わっている可能性が高いということです。米国スタンフォード大学では、抗生剤、消炎鎮痛剤、前立腺マッサージ、手術などの伝統的手法がほとんど効果のないこの慢性骨盤疼痛に、骨盤底筋をリラックスさせる体操と、痛みに対するトリガーポイント療法、および精神的ケアを組み合わせたプログラムをおこない、1ヶ月の治療で72%の患者さんが中等度以上の改善を認めたということです。
ウイケアでも、骨盤底筋群へのトリガーポイント療法と、仙腸関節への施術が症状緩解に有効であった同様の症例があります。
2008年の時点で、スタンフォード大学の方法を取り入れている日本の医療施設はないとのこと。
そこでもし同様の痛みでお悩みのかたは、ご相談を承ります。
吉川祐介 Wecareカイロプラクティック&ナチュラルケア