優れたマネジャーがしている仕事の依頼の仕方とは? - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

臼井 優樹
株式会社ユザック 専務取締役 サポート事業部門長
パーソナルコーチ
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優れたマネジャーがしている仕事の依頼の仕方とは?

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リーダーシップ 賢者の法則 承認する
こんにちは。パーソナルコーチの臼井優樹です。

 あるオフィスにお伺いした際に、

「誰か、応接にユザックの臼井さんて人が来てるから、お茶だしてくれる?」

 という部下への仕事の依頼の場面に立ち会いました。

 ちょっとした仕事ですが、依頼された部下は自分の仕事の手を止
めて私にお茶を出してくれることになります。急に言われてうれしい
はずがありません。

 しかも「誰かって誰だよ。誰でもいいのか?」と思ったに違いありま
せん。知らんふりをした人もいたでしょう。

 余裕の無い時の仕事の依頼は、実際こんなものでしょう。ただ、こ
れが続くと、人望もなくなり、いざというときに部下が積極的に手伝
ってくれることは望めません。

 その行く先が、批判と叱責のパワーマネジメントしか選択できない
パワーハラスメントとしての振舞いになっていくのかもしれません。

 こんなことを考える時、いつも思い出す大切な人がいます。

 以前の上司なのですが、仕事の依頼の仕方が絶妙なのです。

 きっとその上司なら、先ほどのお茶を出してくれた方に、こう依頼
していたでしょう。しかも、来客があってからではなく、前もって。

「○○さん、今日10時にユザックの臼井さんという方が来社されます。
○○さんに、お茶を出すおもてなしの役割をお願いしたいのですが、
お願いできますか?」

「初めての来社なので、おそらく受付とその次に会うであろうお茶を
出す人のおもてなしの態度は、この会社の印象を決める大事な瞬
間になるでしょう。印象がいいとそのあとの交渉もスムーズに行きま
す。○○さん、お願いしますね。」

 もちろん、毎回こんな回りくどい話は必要ないのですが、二回目か
らは「大事なお客様だから、お願いしますね」などの声掛けで確認す
ることはとても有効です。

 なるほど。この上司の部下への依頼の仕方は『贈り物』に似ている
なと思ったものです。


優れたマネジャーは、仕事の依頼もプレゼントにしてしまう。


 私の大切な以前の上司は、3つの大事なポイントを踏まえて、仕事
の依頼すらも部下へのプレゼントとしていました。


Point1)リーズニング


 その仕事の意味と価値を伝えること


Point2)アクノレッジメント


 その人を信じ、認め、任せること


Point3)エナジャイズ


 上記2つのポイントと共に、心地よさやうれしさといった心の報酬を
与え、活力を与えること

 実際に、私もその上司から大きな依頼を直接していただいたことが
あります。海外転勤を伴う大きなプロジェクトに参加する際のことで
した。

 要点を挙げると以下のようになります。

 ・プロジェクトには若い想像力とエネルギーが必要であること。
 ・私が異文化の中ですばやく適応できると感じていること。
 ・私の人生にとって、大きな学びになること。
 ・会社にとって、今後を決定付ける大きな仕事であること。
 ・私が成果をあげると信じて疑わないこと。

 私は、感動して奮い立ったことを覚えています。人が活力を与えら
れ、やる気になる瞬間を自分でも味わうことができました。

 このリーダーとしての振舞いを『面倒だ』と感じてしまったようであれ
ば、今は難しくても、心の片隅に置いていただいて、折に触れて少し
ずつ実践していただければと思います。

 上記の3つのポイントを実践できると、実は転勤しても、転職しても、
定年して地域社会1年生となっても、もちろん家庭でも、多くの人に受
け入れられ、幸せに過ごすことができます。

 そうそう、その「大切な上司」は、人望があるあまり定年させてもら
えず、今も社長として奮闘しています。そして今も大切なメンターとし
て、人生のモデルとしてお世話になっています。


今日のポイント


「仕事の依頼を、部下へのプレゼントのつもりで考えよう!」

 仕事の依頼もプレゼントも、相手がもらってうれしい贈り方ができる
かが大切です。また、それを義務としてではなく、楽しんで考えること
ができると最高ですね!

 みなさんは、どんな仕事の依頼をしていますか?
 そして、プレゼントと考えた場合、どんな贈り方ができますか?


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