- 山藤 惠三
- 有限会社エスオープランニング 代表取締役 クリエイティブディレクター
- 東京都
- クリエイティブディレクター
ギャラクティカに見る、SFドラマ演出術 #2
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メディアと映画、ずっと楽しい関係。
気ままに映画・TVコラム
2009-05-15 08:05
自民党の一党独占政治は一体どこまで続いてゆくのでしょうか?
エスオープランニング、山藤(サンドウ)です。
気ままに映画・TVコラムとして書いています。
今回は、
SFドラマの新しいスタイルを作り出している「バトルスター・ギャラクティカ」です。
1977年にスターウォーズが公開され、一大旋風を巻き起こした後、
1979年に始まった「宇宙空母ギャラクティカ」。
SFブームまっさかりの時代でもあり、
その魅力は、
1 宇宙空間でのバトルシーンが展開されたり、
2 そのストーリーが、キリスト教のモーゼの出エジプト記を創造させたり、
3 全体のデザインが、エジプト文明的なマテリアルだったりとか、
あまり、内容をバクロしない程度に書くと、
ストーリーがモーゼの出エジプト記をモチーフにしているところなどでは、
戦闘機のヘルメットがスフィンクスの形だったりするのです〜?
うーん、ファンタスティックだ〜!!
ということで、
アメリカ人のそのハートをわしずかみにする、そのプロット演出の妙も手伝って、
シリーズはそれなりのヒットを飛ばしました。
そのシリーズが、2008年リメイクされたのが、
「バトルスター・ギャラクティカ」なのです。
この新シリーズが、今、とても評判が良いのです、
SFTVファンの間では、数あるTVSFシリーズの中でも最高傑作なのでは?
と言われているところも出てきています。
私も、夜な夜なこの新シリーズにはまっています。
演出のポイント、
1 SFTVドラマにありがちな、チープなVSFではなくて、まるでリアルなバトルシーン
が展開されるところ。
2 SFというと、ストーリーは二の次になりがちなのですが、
人間同士の葛藤、人間対サイロンの駆け引きや人間性の演出、構成が出色の出来である。
3 シリーズ全体を取り巻く、重苦しく、重厚な戦争体験をさせてくれるような、描写力。
などが上げられます、
マーケティング的に言えば、
1 サブ・プライムローンや、テロとの戦いで疲弊したアメリカ人の心の不安を見事に表現している時代性とか、
2 戦時中というストイックな登場人物たちが描く、アメリカの未来とその後の世界を表現しているとか、
3 機械文明の行き着く先は、実は人類とまったく同じ、容姿、考え方、イメージの塊りだった!とか、
過去には無かった、複雑で少し多感になったアメリカ文明を少しだけ表現しているSFドラマと言ったら、言いすぎでしょうか?
次回では、この新シリーズの人気の秘密にせまります。
つづく。
宇宙空母ギャラクティカ(旧作品) 評価=★★☆☆☆
宇宙空母ギャラクティカ:旧作品 解説HP
画像は、伝説となっている、パイロットのヘルメットです。
デザインがエジプト文明のスフィンクスをモチーフにしています。