- 野村佳代
- 出版/広告プロデュース〜企画・ライティングからデザイン・印刷まで 株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役
- ライター
意外と知らない表記の基本
会話文は「 」、句点(。)は付けない
知っているようで、きちんと知られていないのが「 」『 』( )の使い方です。
会話文は、「 」を使います。
<正しい例文>
「お母さん、庭の朝顔が咲いたよ」
これが正しい用法です。間違えがちなのが、句点を付けてしまうことです。
<悪い例文>
「お母さん、庭の朝顔が咲いたよ。」
このように、最後のカギカッコの前に句点(。)を付けている人を見かけます。
しかし、通常、会話文に句点は付けません。これが基本です。
例外は、会話文で文章が終了する際です。
ビジネス文章では、あまりないケースですが、念のため紹介しておくと、会話文で文章が終了する際には、カギカッコの後に句点(。)を付けます。
<例文>
「お母さん、庭の朝顔が咲いたよ」。
会話文の中に人の言葉が出てくるとき
会話文の中に、他人の言葉が出てくる際には、『 』を使用します。
<例文>
「当社の社長から『よろしくお願いします』と申しておりました」
また、会話文ではなく、通常の文章でも書籍の名前は『 』を使用します。
<例文>
私が好きな本は『ハリー・ポッター』です。
( )は気持ちや補足説明に使う
会話ではなく、そのときの心情を会話のように表現する際には( )を使用します。
<例文>
「もうすぐテストでしょう。早く勉強しなさい」
(お母さんは口うるさいなぁ。今やろうとしていたのに……)
また、補足説明する際にも使用することがあります。
<例文>
新聞は、毎日4紙(そのうち3紙は配達、1紙は駅で買う)読みます。
ただし、補足説明の( )が多すぎると、読みづらくなってしまいます。
前の例文の場合、下記のように表現することもできるはずです。
<例文>
新聞は、毎日4紙読みます。そのうち3紙は配達されるもの、1紙は駅で買います。
補足説明の( )は乱用しすぎないように気をつけましょう。
次回は、「文章にリズムを付ける方法」について紹介します。