
- ヨシダケイスケ
- はたらくちからラボ 代表
- 東京都
- キャリアコンサルタント
対象:キャリアプラン
- 宇江野 加子
- (キャリアカウンセラー)
- 冨永 のむ子
- (パーソナルコーチ)
■対象者
高校2年生 理系志望 男子
■背景
最近転校してきたばかりの生徒です。普段から寡黙で、友達を作ろうとはせず、休み時間は一人黙々と数学の問題集に取り組んでいます。しかし、何らかの目標ややりたいことがあって頑張っているようではないと他の先生からお聞きし、面談をすることにしました。
実は、問題集に取り組んでいる様子を見る限り、熱心に進めてはいますが、難しそうな問題には手をつけず、すぐに答えが分かるような基礎問題ばかりを解いているため、気になっている生徒でもありました。
■面談より
職業レディネステスト(VRT)を実施したところ、興味、基本的志向性、自信のいずれの検査にも◯がつく項目が極端に少なく、検査結果自体は意味をなしていないように思えるものでした。
そこで、検査結果についての話し合いは一旦横に置いておき、まずは関心のある学問について話をしてみることにしました。
すると、実はどこの大学を受験するのかということを親御さんが繰り返し尋ねておられるということを打ち明けてくれました。普段はずっと寡黙な様子なのですが、堰を切ったように話すところを見ると、彼にとって相当なストレスになっていたのかもしれません。本人としては、どこに進むのが良いのか分からないし、どこが自分に合っているのかも分からない。でも早く決めないと責められるので焦っている、とのことでした。
ただ本人も進学については強く関心を持っているようでした。学部分類のリストを広げ、「まずは、興味が全然持てないところを消去していくところから始めようか」というと、彼の方から積極的に話し始め、あっという間に「自分の関心は理学か工学にある」という結論を自分で導きました。「でも自分は工学向きでないから理学だと思う」という発言がありましたが、少し引っ掛かるような言い方だったので、詳しく聞いてみると、前に在籍していた高専での成績のことを気にしている様子。工学の内容に苦手意識を感じてしまっているように見受けられました。
普段から図書館を利用しているということだったので、「4類 自然科学」と「5類 技術・工学・工業」の二つの棚を比較しながら見てみると、この両者がどのように違うのかが分かりやすく、自分が興味があるのはどちらなのかが見えてきやすいということをアドバイスしたところ、その名称を自分のノートに書き写してくれていました。
一見がむしゃらに勉強を頑張っているように見えても、教師の立場から見れば、それが目標に向かっているものなのか、あるいは何らかの不安を打ち消すためにやっているだけなのかということはすぐに分かります。ただ、その不安が学校での人間関係や勉強での悩みではなく、将来に対するものであれば、キャリア教育を専門に扱う職員の出番となります。
進路について、保護者の方があれこれと口出しをするケースは多いです。一方で、それを良しとせず、子どもの自主性を重んじて、自分で決めさせようとされているのはなかなか出来ることでなく、良い家庭方針を取られていると思います。
しかしながら、社会経験のない高校生が自分一人で進路のことを考えようとするのには少し無理があり、専門的なアドバイスができるサポート役の存在が重要になります。
そのようなことにお悩みのある方は、是非オンラインの「アシタプラン」の利用もご検討ください。
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