風邪をひいてしまった時、栄養学の観点から、西洋では脂肪の少ない肉や魚、卵など良質の蛋白質をとることを勧めます。ウィルスに対する抵抗力を強める為に、栄養価の高い食品を補給するのです。
しかし東洋では、風邪をひいてしまった時に、大根のしぼり汁や生姜の煮たものなどを食べさせます。生姜は身体を温める、大根は排泄を良くすることでウィルスを早く体外へ追い出すのが狙いです。また、肉や卵を食べさせないのは、風邪の時はたいてい消化器も弱くなっており、かえって病人の負担になってしまうのです。また、蛋白質は身体の栄養にもなりますが、ウィルスの栄養にもなってしまい、ウィルスを居心地良くさせてしまうのです。ただし、風邪をひく直前、または元々抵抗力のある人には肉や卵を食べさせます。まだ身体の中まで風邪が入ってきて居ない時は、抵抗力を高めて侵入させないようにするのです。
西洋の考え方はウィルスに視点を置き、いかにウィルスを倒すかを考えます。
東洋の考え方は患者さんに視点を置き、患者さんの体質に従って、いかに負担がなくウィルスを追い出すか、または侵入させないかを考えます。
このように、食事療法を見ても東洋と西洋の考え方は違って面白いですね。
昨今、健康情報が巷を飛び交っていますが、それがはたして今の自分に合っているのかを、東洋的な視点で考えて見ることをお勧めします。そうすれば、おのずと自分にあった食事療法というのが見つかるのではないでしょうか。