ホームオフィスは個室が最適とは限りません。 - 新築住宅・注文住宅 - 専門家プロファイル

中山 秀樹
株式会社 中山秀樹建築デザイン事務所 代表取締役
東京都
建築家

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対象:住宅設計・構造

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ホームオフィスは個室が最適とは限りません。

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テレワーク、フルフレックス、SOHO、在宅ワーク・・・

すべて自宅で仕事をするスタイルを表す言葉ですね。

大手通信会社や大企業、ベンチャーなどから採用が増え始めているようです。

このところ、ご自宅の設計をご依頼いただく際に仕事ができる環境をお求めになるケースが増えてきました。

テレワークがすでに現実であったり、もしくはその波に敏感な方々が増えているのだなと感じます。

そんな方々とのお打合せで比較的高い頻度で出てくるキーワードが”仕事部屋”です。

テレワークの性質上、「大きな部屋でなくてもいい」と付け加えるのですが最初のイメージとしては”個室”です。

”仕事部屋”という言葉自体に問題はないのですが”個室”という先入観にいつも「待った」をかけています。

恐らく「集中する」=「個室」というイメージかと思われますが、私の見解としては個室が必ず集中できるわけではないということです。例えば、子供の様子を気にしなければならないママなら個室は不向きですし、様子が伺い知れないことでかえって集中できないことも考えられます。また、集中というのはそう長く持続でないという見解もあり、籠って悶々と思考するより景色や家族の気配を感じたほうがよりクリエイティブな思考になるのではないでしょうか。Cafeや公園で仕事をする方々を見かけますが適度な雑音が仕事の効率を上げていると考えます。

これから紹介するのは、すべて仕事部屋ではありませんが家の中に存在する”居場所”です。家の居場所と言えば「リビング」や「ダイニング」が頭に浮かぶと思いますが、私はそれ以外に”居場所”をつくるように心がけています。それは家族という一単位ではなく、個人、夫婦、親子などその時の状況、目的に応じて身を置ける場所のことです。

 

まずはじめにご紹介するのは定番のワークコーナーです。

リビングの一角にあるので、家族と一緒に利用するケースが多いと思います。

この本棚は階段側からも利用できるので、階段に腰かけてゆっくり本を選定できます。

そのとき階段は”居場所”に変わります。

 

次にご紹介するのが廊下の一部に設けた”居場所”です。

廊下は部屋から部屋へ移動するための空間ですが、そこにベンチを設置して、ただの通路を”居場所”に変えました。

 

こちらは階段下です。

隠し部屋の雰囲気が漂います。階段下は天井高が低いので、掘り座卓にして頭上空間を確保しました。

この扉は壁面と同じ素材のため閉めると部屋であることが分かり難いです。忍者屋敷のような遊び心で設計しました。

 

最後に屋上です。最近ではアウトドアリビングなんて言われていますね。

公園で仕事ができるなら屋上も立派なワークスペースです。さらに屋上は近隣からの干渉を受けにくいので庭とは違ってプライバシーが侵害されにくいです。

 

まだまだ、ご紹介したい事例がありますが、今回はここまでとさせていただきます。

これからご自宅をご計画されている方は是非”居場所”のご検討をお勧めいたします。

そこがテレワークスペースになること請け合いです。

また、すでにご自宅を建てた方でも”居場所”を見つけることは可能です。

家具の配置を変えるだけで新しい空間を見つけることができるはずです。

 

私の今日の”居場所”。

屋上から月を眺めながらこのコラムを締めくくらせて頂きます。

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