配偶者控除の見直し議論に見え隠れする、とても「大事なこと」 - 家計・ライフプラン全般 - 専門家プロファイル

石川 智
オフィス石川 代表
高知県
ファイナンシャル・プランナー

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閲覧数順 2017年08月21日更新

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配偶者控除の見直し議論に見え隠れする、とても「大事なこと」

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こんにちは、石川です。

 

最近話題になっている「お金」に関する話題の一つに「配偶者控除の見直し」があります。

 

配偶者控除(国税庁HPより)https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm

 

この所得控除を無くそうという方向性を国が示したことで、TVや雑誌で「こんなに税負担が増える!」という取り上げられ方をされています。

 

確かにこれが無くなると、世帯では税負担が増えてしまい、それが「所得減」につながると思われますから、大騒ぎになることは致し方ないと思います。

 

そして「夫婦控除」なるものが誕生するのでは、とか、この税負担増分を「子育て世帯への何らかの手当」で埋め合わせするのでは、期待と不安が噴出しています。

 

某放送局でも特集が組まれ、あるファイナンシャル・プランナーさんが「この税負担増には家計の見直しでなんとかしないと!」とご意見を述べられていたわけです。

 

そんな状況を見ていて感じることがあります。

 

「このような制度改正の議論の本質は、別のところにあるのでは?」と。

 

先日、高知県立大学のシンポジュウムに発表者の一人として参加したのですが、その時のテーマが「年金制度の未来を考える」でした。

 

そこで年金制度にお詳しい大学の先生とご一緒した時に話題に出たのが、「この国の年金制度は、今後どうなるのだろうか?」ということでした。

 

お話をお聞きし、議論をするうちに、少子高齢化がますます進む日本で、老齢年金の支給額が大きく下がるのは避けがたい事実である、と再確認しました。

 

ご存じのように、現在の年金制度は「賦課方式」がメインとなっています。

 

この「賦課方式」とは、簡単に説明すると、「その時に年金保険料を納めた分が、その時に年金を受け取る分に回る」という方式のことです。

 

ということは、年金保険料を支払う人が減ってしまうと、年金を受け取る額は理論上少なくなり続けます。

 

そして、このような「保険料の支払いと、保険金の受け取りのアンバランス」は、今後の日本では「動かしがたい未来の姿」と言っても過言ではありません。

 

年金制度の未来を考えていて、私は、今回の「配偶者控除」の見直しで得られる効果に、「将来の年金制度の維持」があるのではないか、と考えるに至りました。

 

なぜそう感じたかというと。

 

配偶者控除を受けている世帯の配偶者は、「被用者の配偶者」が多く、働いていても「第3号被保険者」に留まっている人がほとんどだと思います。

 

ということは、このままだと、配偶者控除を受ける世帯の配偶者は


「年金保険料は、自分では支払っていない」
「そして年金を受給する際には、厚生年金がかからずに、老齢基礎年金だけを受けることになる」


のです。

 

この状況を変えるために「働き方の見直しを意識させて、厚生年金がかかるような働き方をする人を増やそう」と国は考えているのではないか、と思うのです。

 

もし「配偶者控除の廃止」がきっかけで、働き方を変える人が増えれば


「年金保険料(厚生年金)を改めて納めてくれる人が増える」
「将来老齢基礎年金だけでは暮らせないような事態になっても、働き方を変えたおかげで、老齢厚生年金をもらう人が増える」


ので、何とか年金制度を維持できると、国は考えているのではないか、と感じてしまうのです。

 

もちろんこれは私の「ネガティブな」妄想かもしれませんが、この妄想とも思えるシミュレーションが、将来まったく起こらないと、あなたは言い切れるでしょうか?

 

配偶者控除の話題は、もし制度が廃止されてしまうと、その一瞬は大きな話題となり、人々は関心を持つでしょう。

 

しかし実は、この裏側には「敢えて国が語らない」もっと大事な真実があるかもしれない、と少しだけ穿った見方をしてみてはいかがでしょうか?

 

ではまた、お会いしましょう!

 

 

 

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