兄の書道展です（寧社書作展）

毎年、恒例となりました兄の書道展です。

開催場所は奈良ですので、お近くをお通りの方や御興味のある方は是非ともお立ち寄り下さい。

下記に兄からの紹介文を掲載させて頂きます。

何時もお世話になっています。寧社書作展も２０年目を迎えました。一人あたり１５ｍの巨大な壁面に対峙し、毎年戸惑いながら制作し続けてきました。今年は記念の年としてもう一部屋借りて特別展示を行います。また大震災のあった熊本に寄り添うべく今回もチャリティー展といたします。ご協力頂ければ幸いです。詳しくは下記ごあいさつをご覧ください。

 ごあいさつ

 １９９５年５月に今井凌雪先生のお声掛けで始まった中国語の翻訳会。それは、今井先生を中心に、大学教員であった中村象谷・松本宏揮両先生を顧問に、当時３０歳代の雪心会の若手の学習の場として、『中国書法』誌に連載の書道に関する座談会記事を翻訳することから始まりました。しかし、回数を重ねるたびに新しい情報は入って来るものの、それらによって触発された気持ちを形にする術がなく、悩みに悩んで出した結論が、この寧社書作展です。

１９９７年に第１回展を始めるにあたって、前年暮れに今井先生に賛助作品の依頼をした時、「人に頼らず、自分たちの力で、自分たちの展覧会を作りなさい。」という厳しい激励のお言葉をいただきました。ご存命中には会場に何度も足をお運びくださり、厳しくも温かいご批評をくださいました。それから２０年が経ちました。今回展は謂わば成人式と同じ。少しでもそのお言葉に適う展覧会が出来てきたでしょうか。その答えを探るべく今回はテーマを～ＫＩＷＡＭＵ～としました。「極」「究」「窮」など様々な漢字が想像できる言葉です。極致、探究、窮地等々・・・、今の自分たちはさて・・・。そのテーマに沿った共通作品コーナーも作りました。仕上寸法３尺×３尺の正方形で統一し、各自の～ＫＩＷＡＭＵ～作品が１点ずつ並んでいます。

他に２０回記念として、もう一部屋に会員所蔵の書に関するお宝の展示を致しました。屏風、拓本、軸、額、帖、文房四宝など各自秘蔵のものです。

今回、以上のような企画展を進めていた折、熊本で大震災が起こりました。第１５回展の直前にも東日本大震災が起こり、チャリティー展を開催し皆さんのご協力を得て日本赤十字社奈良県支部へ義捐金を届けしました。その前年の１４回展の折には今までお世話になった奈良へ恩返しをしようとチャリティー展を開催し、奈良県社会福祉協議会の奈良県中央善意銀行へ売り上げを寄付しました。そこで、今回も急遽、チャリティー展を企画することにしました。その売り上げは前回同様、日本赤十字社奈良県支部に熊本県への義捐金として責任を持って届けます。何卒ご協力ください。よろしくお願いいたします。

また、寧社の名前を付けていただいた奈良女子大学名誉教授・寧楽漢学講習会講師の横山弘先生による講演会『中華学人の書』を土曜の１０：３０から特別展示会場にて開催いたします。展覧会共々会費は一切かかりませんので是非ともご聴講ください。

２０年間の集大成とでも言うべき作品、皆さんの目にはどのように映るのでしょうか。ご指導ご鞭撻賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

植森　克昌