ロマンティックバレエのパイオニア「ラ・シルフィード」 - 心・メンタルとダイエット - 専門家プロファイル

舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
東京都
クラシックバレエ教師・振付家

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対象:ダイエット

佐久間 健一
佐久間 健一
(ボディメイクトレーナー)

閲覧数順 2024年04月25日更新

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ロマンティックバレエのパイオニア「ラ・シルフィード」

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今回ご紹介する「ラ・シルフィード(空気の精)」は、クラシックバレエの中で「ロマンティックバレエ」というジャンルを確立した草分け的存在の有名な作品です。

☆_(_☆_)_☆

 

そう。この作品から、今日「ロマンティックバレエ」と呼ばれるものの歴史が始まったのですね。

(^^✿

 

 

全2幕から成るこの作品のあらすじは、

 

スコットランドの青年ジェイムズにはエフィーという婚約者がいるのですが、自分にしか見えないシルフィード(空気の精)に恋をしてしまい、彼は婚約者を捨てて恋するシルフィードを森まで追いかけて行きます。

 

その時に、彼が不親切にした事のある老婆(実は魔女)の仕返しで、「このスカーフをシルフィードに巻けば、彼女の背中の羽根が落ち、飛べなくなって彼女は永遠にお前のものになる」と騙され、

 

彼が言われた通りに、老婆に渡されたスカーフをシルフィードに巻くと、彼女の羽根が地面に落ちると同時にシルフィードは死んでしまい、

 

絶望に打ちひしがれる彼が、森の木立から遠くに目にしたものは、

自分が捨てた婚約者エフィーが、以前から彼女に恋していた青年グルーンとの結婚を決め、皆に祝福されている花嫁姿。

 

それを祝福する村人達と一緒に、彼女が結婚式の祭壇に向かう姿を見るという所で幕が閉じるという、ちょっと終わり方が悲惨な物語です。(笑)

(^^;

 

ちなみに、現在「チュチュ」と呼ばれるバレエ衣裳の始まりも、この作品から生まれたもので、

丈の長いものを「ロマンティック チュチュ」、膝上まで足が見える短いものを「クラシック チュチュ」と呼んでいます。

(^^✿

 

 

宮廷舞踊から始まったバレエが歴史と共に発展して行く中で、バレリーナの足使いのテクニックがどんどん向上して行き、その足さばきが観客に良く見える様に、時代と共にどんどんスカート丈が短くなって行ったのですね~。

(^^♪

 

当時は、バレリーナのスカートの丈が短くなる事は、一大センセーショナルな出来事だった様です。

《 ゚Д゚》!!☆彡

 

最初の頃は、女性舞踊手の "足首" が見えるだけで「はしたない」とされた時代もあったのですって!

今の時代では、考えられない事ですが。(笑)

 

又、今ではバレリーナのトレードマークとも言える「トゥシューズ」ですが、

この「つま先立ちで踊る」事が始まったのも、この作品からと言われていますから、

 

この「ラ・シルフィード」は、今日のクラシックバレエの歴史を作ったとも言える、偉大なバレエ作品の一つなのですね。

☆_(_☆_)_☆

 

 

 

今回ご紹介する「ラ・シルフィード」の写真は、第2幕の森の場面。

シルフィードを追いかけて来たジェイムズが、彼女と森で戯れるシーンで、良く単発でコンサートでも「パ・ド・ドゥ(二人の踊り)」として踊られます。

 

 

 

「ラ・シルフィード」Act 2 より

 

シルフィード …… 大園エリカ

ジェイムズ ……… ILIR  KERNI(元ザグレブ国立バレエ劇場 プリンシパル)

 

「あなたは何をしに森へいらしたの?」 by シルフィード

「僕は婚約者と別れて、君と結婚したいんだ!」 by ジェイムズ

 

などと、マイム(※バレエの場合、パントマイムとは言わずにマイムと言います)でお互いに会話をする場面♫

 

 

「あなたのお気持ちが本当ならば、こうして天に誓いを立てて!」  by シルフィード

 

 

彼が天に誓いを立ててくれたので、シルフィードは嬉しくなって彼に森の木の実を拾って運びます。

 

 

  

今度は小川で水をすくって、

             

 

再び彼の口元へ運びます♫

 

 

  

 そこに蝶々が現れてシルフィードが捕まえると、「逃がしてあげなさい」とジェイムズが諭すので、

 

 

シルフィードは捕まえた蝶々を逃がしてあげた後に、今度は「私、蝶々になって踊るわ♫」と、踊り出すのです。

 

 

…という様に、恋する若者とシルフィードは、この後に悲惨な出来事が二人を待ち受けているとも知らずに、森でいちゃ♡いちゃ♡ (笑)する場面が続きます♫

この場面はこの作品のメインシーンで、とても無邪気でチャーミングなシルフィードの愛らしさが伝わる名場面です。

(^^♪

 

 

ちなみに私が踊った振付けは、「ラ・シルフィード」が1832年にパリ・オペラ座で初演された4年後に、デンマーク王立バレエ団で新しく上演された「ブルノンヴィル(振付者の名前)版」のものですが、

 

その後に、又新たにパリ・オペラ座で再演された「ラコット版」も別バージョンとして有名です。

 

 

「ブルノンヴィル版」の作曲者は、ロヴェンスヨルド♫

「ラコット版」は、シュナイツホッファーです♫

(^^♫♫♫

 

 

 

 

 

 

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(東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ

natural & elegance

長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年