- 森川 稔
- DEN設計一級建築士事務所 主宰
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
家を建てるために!これだけは!(第6話)
≪ステップ2≫【契約】
(土地の場合) その契約、まった!もう一度考えよう!
【 CHECK1 】信頼度チェック!
クライアント物語編(2/3)
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◇ 【土地契約】 CHECK1 信頼度チェック! ─────────────────────────────────────
──クライアント物語────────────────Story-004────────
◇ 設計事務所では、建築条件付土地では建てられない理由
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今回も、前回に続き、”建築条件付土地”にDEN設計がデザインする家
を
建てようと試みるが、クライアントU氏と森川が挑む、横柄な建売会社との
やりとり(対決?)をお話します。
・・・・・それから、1週間後、その販売会社(不動産会社)にて面談を
しました。
U氏ご夫婦と森川と山本(DEN設計デザイナー2級建築士)で伺いました。
そこは・・・私の苦手な光景だった・・・剥製?・・奇妙な王将の大きな将棋
ゴマ?・・・小さな打合せテーブル・・・社長席の前にあるソファーは大きくて
革張り?・・・。
”感覚”で物事を判断してはいけないが、私は、その”感覚”でいままで設計
を進めてきた。
嫌な予感がしていた・・・
そしてその”小さな打合せテーブル”に三者合わせて7人が、体を寄せ合い、
打合せが始まった。
思っていた通りの”建売会社の社長”の横柄な対応が始まった・・・
社長:「普段は、弊社の設計部で建築士が設計したものを建てている。
今まで苦情を受けた事がない。それだけ皆に喜ばれているよ・・・。
・・・・DEN設計さんは、知っていますよ、事務所の前の道をよ
く通っているから・・・。」
( ”DEN設計を知っている”・・・
・・・・場所の事じゃないですよ!意味違いだ!・・・)
社長:「それでは、ウチの”優秀”な設計スタッフを紹介します。・・設計部長の
○○君。こちらが、ウチの”ホープ”の設計課長○○君・・・。」
一通り、自己紹介が終わったみたいだったので、こちらから・・
森川:「契約の状態ですが、社長のところでは自社で建設もされていますので
、三者契約(*1)で進めますがよろしいですか?」
こちらで用意した契約書を差し出したが、見た事がない様子だった。
少し、その契約書を眺めて、社長も目が覚めたようで、私に対しても敬語は
使ってくれるようになった。
社長:「契約書は、ウチで用意できますよ。
○○君、契約書を持ってきてくれ!」
持ってきたのは、普通の”請負契約書”、それは、単なる二者契約なので、
×です・・・
(かなりの感覚違いを感じているのは、私のほうだけだろうか・・・)
森川:「DEN設計が、設計監理契約を設計業務委任として契約します。
そして、建設をU氏の代理人として監理させていただきます。
そのための契約ですから、U氏は依頼者ですから”甲者”、
社長は建設を依頼されますから”乙者”、
DEN設計は、自ら設計したものを監理しなくてはいけないので、
U氏の代理人として現場を監理させていただきますから、”丙者”
として、三者協力の上で役務を遂行するための契約です。
書式は旧四会連合で発行しているものを使用します。」
ようやく、設計事務所が介入する建設を理解して頂いたようだ。
次に、品質レベルの話をDEN設計の他のクライアントの図面を広げて説明を
始めた・・
森川:「この図面には意匠・構造・設備・仕様書を含め100~150枚程度に表現
されています。
扉や家具、屋根や壁の納まりが書かれ、細かく寸法・仕様が決められ
ています。
このような条件で御社は対応できますでしょうか?」
すると、その設計部長○○さんが、平面図・立面図・仕様図の三枚の図面を
森川に差出して見せてくれました。
作業着を着た設計部長は、少し申し訳なそうにボソボソと話し始めました。
○○部長:「ウチでは、建物仕様が同じですから、この三枚で事は足りてしま
うんです・・・。」
そして社長は、少し面倒になったのか、DEN設計の図面をコピーさせて
ほしいと言われ、理由も無く著作のあるものをお渡しできない旨を伝えると・・
社長:「それでは、細かい話は、事務所に○○部長と○○課長を遣せます
ので、その時にまた、森川先生に、ご説明をお願いします。」
設計事務所と家をつくる事(社長のところでは面倒な話)を少し理解して頂い
たようだった。
その時、突然だった・・・・土地契約を迫る社長にU氏も困り果てていた・・・。
社長:「土地契約日ですが、来週の月曜日あたりはいかがですか?
他に買いたい人も、今のところいませんので、早いほうが
良いのでが・・」
U氏:「まだ、DEN設計さんと”御社に頼めるか、どうか?”を検討してい
ないのに契約はできません!」
森川:「御社の評価を私達が代理人として考慮させて頂きます。技術的な面・
工事費用の差額など、契約前にやらなくてはいけない事を優先させて
ください。
こちらのスケジュールを調整して連絡しますので、その時に設計部の
方と再度、技術面についての協議をさせて頂きます。」
最後まで、自社の考えを押し付け、契約を優先する社長だったが、契約をする
前に行う検討事項の多さや難しさを”計りにかけている”ようだった。
社長:「ウチでは、できない事はありませんから、よくウチの設計担当に教え
てあげてください。」
とりあえず、技術協議→DEN設計の判断→U氏決断→土地売買契約 という
、スケジュールで合意してもらい、その契約は、伸ばしてもらった。
・・・次回に続く
~~ポイント6]~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*1三者契約・・・ 民間(旧四会)連合協定幸司請負契約約款の事、
工事請負契約書の署名項目に、「丙・監理者」があり、契約時は、
設計監理者も立会い、この項目に署名捺印し、工事完了まで、
クライアントの代理人である監理者としての工事品質を守る契約形態。
DEN設計では、分離発注でも工務店一括請負でも、この三者契約を利用しています。
素人であるクライアントに代わり、工務店などの施工者や出来上がった品質のチェックや、
完成した工事量に対しての工事代金査定などを行う方法を採用しています。
その結果、ユーザーであるクライアントが得る完成品は、プロの目で見た厳格なものになり、
より安全で納得できるデザイン住宅
を取得できる事となります。
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<土地契約の注意点>
■ 【契 約】(土地の場合)その契約、まった!もう一度考えよう!信頼度チェック!解説編(1/2)
■ 【契 約】(土地の場合)その契約、まった!もう一度考えよう!信頼度チェック!解説編(2/2)
(次回お楽しみに!)次回は
≪ステップ2≫【契約】(土地の場合)その契約、まった!もう一度考えよう!
【 CHECK1 】信頼度チェック! クライアント物語編(3/3)
です!----to be continue――――――――>
住宅リフォーム・マンションリフォームの相談も受け付けています。
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次回予告:
■ 連載 【家を建てるために!これだけは!】(第7話)
≪ステップ2≫
【契 約】(土地の場合) その契約、まった!もう一度考えよう!
CHECK1.信頼度チェック! クライアント物語編(3/3)
家をたてるには?いろいろ、本・WEBは、見たんだけど・・やっぱりわから
ない・・ と言う方、必見!!
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