「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方：その５８

第７章　エピローグ：PDCAをまわしてもっと仕事を楽しもう・・・・店舗ビジネスはPDCAをまわすとムチャクチャ面白い
②PDCAをまわすとチームの結束力が上がる・・・お互いの情報を知る。面倒見の良さが評価になる。感謝をしあう風土を作ろう

「半年間PDCAをやってみていかがでしたか？何か、半年前と違ったものを感じますか？」

Ｍ部長は、大きな成果を上げたＮ店長の店を訪問し、スタッフリーダーにインタビューをしていました。
Ｎ店長の店は、今回の「売上不振店復活プロジェクト」のモデル店舗の内、もっとも大きな成果を上げた店です。Ｍ部長は、その成果を自分の眼で確かめようと、店を訪問したのでした。

「はい、たくさんありますが、大きいのはふたつあります。まずは、店長の言っている言葉の意味が良くわかる様になりました。あはは。」
と、スタッフリーダーのＳさんは、笑いながら話してくれました。

その意味を彼に聴くと、実は、店長の一番の変化は、「わかりやすく話す」と言うよりも、「まずは、自分達の話を聴いてくれる。その上で話をしてくれる」と言うことのようです。これは、自分達と目線が一緒になり、温度差が無くなるということなのでしょう。事実、Ｎ店長の話し方が急激にうまくなったわけではありません。しかし、店長に「聴く姿勢」が生まれたことにより、スタッフにも「聴いてもらえる安心感」をベースにした「店長の話を良く聴こう」という気持ちが芽生えたと言うことだと思います。

よく、店長とスタッフの間、店長とエリアマネジャーの間には、コミュニケーションギャップがあると言われます。確かにあります。（私も、部下や上司とギャップがかなりありました・・・反省）その原因の多くの部分は、お互いの「話し方」「伝え方」の技術の前に、「聴く姿勢」の無さが原因なのです。だって、「相手の話を理解したい」と真剣に思っていない状態では、理解力なんて高まりませんものね。

スタッフ同時が刺激し合い協力し合う風土作りの秘訣

「もうひとつは、その聴く姿勢が、スタッフの間にも生まれてきたので、お互いの気持ちや言いたいことが良くわかる様になってきたことです。最初は、何でもかんでも悪いように捉えて、すぐに落ち込んでいたスタッフやすぐに怒り出すスタッフがいたのですが、そのうち、それは批判や悪口ではなく、成長を願うアドバイスと捉えられるようになり、いまでは、自分からトレーナーにアドバイスを求めるようになったんです。アドバイスをする方も、相手の反応をよく見ながら伝えるように心がけるようになりました。みんな成長しているんです。その結果、チームワークが格段によくなりました。緊急時のミーティングも、自分が出来る事を積極的に申し出てくれるようになったんです。」

スタッフリーダーは、目を輝かせながら話してくれました。
そして、なぜそのようになったかの秘訣を教えてくれました。
そのポイントは、店長が・・・

１）すぐに仲間に感謝をする
２）仲間を助ける姿勢をほめる

店長がこの2点を徹底したからに違いないと、スタッフリーダーは答えてくれました。
店長がスタッフから信頼されると、スタッフ達は「店長が望む方向」に自然と進んでいきます。
この店では、Ｎ店長が、「お互いに刺激しつつも、協力し助け合う店にしたい」と考えており、それに準じた行動を見つけたらすぐに自らが「感謝し」「ほめる」と言うことを徹底しているというのです。

いくら経営者や責任者が「ほめよう」「感謝しよう」と、毎日毎日お説教のように言い続けても、当の本人がそれを一番たくさんやっていなければ、部下達はそのような方向には進んでいきません。彼らは「言葉」ではなく「行動」を見ているのです。そこに、本音、本心があることを知っているからなのです。

Ｎ店長の「率先垂範」・・・・学びが多いですね。

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