50歳からは人生を楽しむ家づくり 13 - 住宅イメージ - 専門家プロファイル

小林 裕美子
ストゥーディオ ステラ 一級建築士事務所 
東京都
建築家

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対象:住宅設計・構造

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50歳からは人生を楽しむ家づくり 13

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 ■風景になる家を作りましょう

 今回は家作りを考える上ではちょっと上級編です。

 家に日本の国籍の様な物を付加して、街の魅力作りにも参加しましょうという提案です。

 皆さんは今までの人生でいろいろな経験を積まれたことと思います。そうした経験や、

 使ってみてその良さに感激した建築のディテールを活かしながら、街の風景作りにも

 一役買ってみませんか?



 最近の日本の家は大変便利なのですが便利さを追求する余り、家自体のスタイルは

 どんどん無国籍になって来て、日本の独自性と言うか日本らしさが少なくとも外見的には

 無くなりつつあります。

 同時に、門や前庭、庇や縁側、引き戸や障子などの日本の気候に合わせて考えられた

 とても役に立つ日本独特のディテールも切り捨ててしまった様に思います。

 これらは、この国で気持ち良く生活をする上で積み上げられた貴重なノウハウなのです。

 日本で生活するための日本らしさを積極的に取り入れる事が出来るのは、

 まだ無国籍になる前の日本の家を良くを知っている皆さんだと思います。

 だからと言って、数寄屋造りの家に住みましょうと言っている訳では有りません。

 実際、以前映画で見た憧れの外国の住宅のディテールや、外国旅行の際に

 感激したエキゾチックな装飾などを家に取り入れるのは、自分好みで良質で

 しかも住みやすく美しい家を作る上でとても良い事です。


 でも50歳からの貴方は、ただ憧れだけでイタリア風やサンタフェ風の家を作るには、

 知識も経験も豊富に有って、単純にそれに飛びつく家づくりりは考えられないと思います。

 それに、外国旅行に行って感激する主な理由は、その街の建物がとてもその国風で、

 異国情緒を醸しているからではないでしょうか?

 そういう目で日本の街を見回してみると、安く早く建てられてしかも長持ちする

 本当に便利な家が多いのですが、日本らしい風景を作る懐かしい情緒はどんどん

 無くなって来ています。便利で長持ちする点は勿論積極的に採用したいと思います。

 その上で、ご自分の良く知っている美しく役に立つ日本のディテールをもっと積極的に

 家づくりに取り入れたり、伝統的な和の色彩を使ったり、古い家の一部分を残したり

 してみませんか?

 街の風景づくりにも参加するのは、知識と経験がある50歳からの貴方だからこそ

 出来ることなのではないでしょうか。


 
 百年前の歌舞伎門を残した家

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