「老化という迷信」
世界的なチェロ奏者、ミーシャ・マイスキーが、
あるテレビ番組で、
子供たちに、音楽を教えていました。
そして、その番組の中で、マイスキーは、
子供たちに、一つのクイズを出しました。
バッハの無伴奏チェロ組曲の同じ曲について、
三人のチェロ奏者の演奏を聴かせ、
誰が最も若い年齢の演奏者で、
誰が最も歳を取った演奏者かを、
当てさせたのです。
このクイズの結果は、
静かな驚きを、禁じえないものでした。
子供たち全員が、「最も歳を取った演奏者」と感じたのは、
実は、若い頃のマイスキーの演奏でした。
そして、「最も若い年齢の演奏者」と感じたのが、
それから16年の歳月を経た、
最近のマイスキーの演奏でした。
伸びやかに、軽やかに、
その精神の若々しさを感じさせる演奏は、
ソビエト抑留の苦難の歳月を経て、
年輪を重ねたマイスキーのものでした。
このマイスキーの演奏を聴くとき、我々は、
いま、世の人々が「常識」と思って信じていることが、
実は、一つの「迷信」であることに、気がつきます。
人は、歳を取ると
精神の若さと瑞々しさを失っていく。
そして、それが「迷信」であるならば、
いつの日か、新たな「常識」が生まれるのでしょう。
人は、長き歳月を歩み、
人生の苦難を乗り越えていくほどに、
精神は若く、瑞々しくなっていく。
(※「自分であり続けるために」 田坂広志 著 より )
年齢を重ねて、瑞々しい感性を失われてしまう方と、そうでない方がいるのは、
右脳と左脳の使い方のバランスにある様に、私は感じます。
本物の芸術家の精神がいつまでも若々しいのは、ご自分の心がいつも、「今、ここ」にあるからなのでしょう!
《゚Д゚》☆彡
ちなみに、人間の精神を老化させ、一番疲れさせるものは、
過ぎた過去ばかり見つめたり、まだ来てもいない未来にばかり目を向ける、心を煩わす "憶測" と "妄想" からだそうですから、
皆様、お互いに気を付けましょう!?(笑)(^^✿
(スワロフスキーのヴァイオリン♫ これも又、美しいですね~☆彡)
このコラムの執筆専門家
- 大園 エリカ
- (東京都 / クラシックバレエ教師・振付家)
- 舞踊家(クラシックバレエ) 元プロバレリーナ
natural & elegance
長年プリマとして国内外で活躍。現役引退後は後進の指導とバレエ作品の振付けに専念。バレエ衣裳や頭飾りを作り続けて得たセンスを生かし、自由な発想でのオリジナルデザインの洋服や小物等を作る事と読書が趣味。著書に「人生の奥行き」(文芸社) 2003年